「あなたは〇〇でX人目のノーベル賞受賞者」と言われ慣れたチャルフィー教授が唯一不快に思った「受賞者リスト」とは?(Angew. Chem. Int. Ed.エッセイ)

2008年に下村脩、ロジャー・Y・チエン両氏とともにノーベル化学賞を共同受賞したマーティン・チャルフィー教授がAngewandte Chemie International Editionに寄稿したエッセイです。受賞後、教授は自分が「わが校卒業生で何人目のノーベル賞受賞者」「当学部で何人目の受賞者」といったさまざまな「受賞者リスト」に加えられる体験をしました。かかりつけの歯医者から「あなたは私が知っている4人目の受賞者」と言われたときにはさすがに驚いたそうですが、教授はこういった「受賞者リスト作り」を微笑ましく見ていました。

しかし、教授が心穏やかでいられなくなったのは、ユダヤ人学校の教師から「ノーベル賞を受賞したユダヤ人のリストを学校に掲示したいので、写真を送ってほしい」という依頼を受けたときでした。教授自身はユダヤ人として育てられたことを誇りに思っていましたが、宗教や国籍と科学は無関係と信じる教授にとって、このような排他的なリスト作りは、若いころに「お前はユダヤ人だからベトナム戦争に反対なんだな」と言われた不快な記憶を呼び起こすものでした。教授は結局、教師に写真を送ることに決めましたが、それはどのような写真だったでしょうか?

 ⇒ Chalfie, M. (2012), Being Counted. Angew. Chem. Int. Ed.. doi: 10.1002/anie.201205223 (本文を読むにはアクセス権が必要です)

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