英国政府がビッグデータの専門研究機関「アラン・チューリング・データ科学研究所」設立費を予算案に盛り込む|昨年12月に死後恩赦を認められたチューリングの業績を称え命名

英国のオズボーン財務相が3月に発表した2014年度予算案に、The Alan Turing Institute for Data Science(アラン・チューリング・データ科学研究所)創設のための費用が盛り込まれました。

dataビッグデータは重要なビジネスとしての成長が世界的に期待され、英国でもビッグデータ関連産業が2017年までに58,000人の雇用を生み出すと予測されています。同研究所の設立は、このビッグデータの分野で英国が先行することを狙いとするもので、英政府は5年間・計4,200万ポンド(約72億円)の出資により同研究所を世界レベルのビッグデータ研究機関に育て、国内の他の電子インフラおよびビッグデータ研究機関と連携させることをめざしています。

同研究所は、英国の数学者・論理学者アラン・チューリング (Alan Turing, 1912-1954)の業績を称えて命名されました。チューリングは若くして計算機科学の基礎をなす重要な成果を上げるとともに、第二次大戦中には敵国ドイツの暗号「エニグマ」の解読成功により連合国の勝利に貢献しました。しかし戦後の1952年には、当時の英国で犯罪とされていた同性愛の罪に問われて有罪判決を受け、失意のうちに2年後服毒自殺を遂げました。

理論物理学者スティーブン・ホーキング博士を含む著名な科学者らによる名誉回復運動の結果、没後59年を経た昨年12月24日、エリザベス女王名でチューリングの死後恩赦が正式に発効しました。今回の同研究所の命名は、そういったチューリングの名誉回復の流れを受けたものといえます。

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