Angewandte Chemieの編集長が35年ぶりに交代

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ドイツ化学会(GDCh)とその公式誌Angewandte Chemieの編集委員会は、近く引退を迎える Peter Gölitz現編集長(上写真・右)の後任として、Chemistry – A European Journal の Neville Compton編集長(同・左)を指名したことを発表しました。Compton新編集長の就任は2017年10月1日に予定され、同誌にとっては35年ぶりの編集長交代となります。

Gölitz現編集長は、1980年からAngewandte Chemieの編集に携わり、1982年から現在まで編集長として同誌を率いてきました。編集長に就任した当時、Angewandte Chemieは事実上ドイツ国内だけを対象にした、ローカルな学会誌に留まっていました。Gölitz編集長は、国外の優れた化学者に論文投稿を働きかけることにより、同誌の国際性を高め、世界のトップ化学誌のひとつへと発展させました。

またGölitz編集長は、Angewandte Chemieの成功をモデルとして、Advanced Materialsとその姉妹誌、さらにChemPubSoc Europe(欧州各国化学会の連合体)との提携によって、Chemistry – A European Journalなど数々の化学誌を生み出しました。Advanced Materialsは、1988年にAngewandte Chemieの36ページの綴じ込み付録として創刊されましたが(1990年から独立)、今日では年間1千報以上の論文を出版する材料科学分野の代表的な高インパクト誌にまで成長しています。

こういった成功を引き継いで着任するCompton新編集長は、英ニューカッスル大学で化学を学びPh. D.を取得した後、独ハイデルベルク大学を経て1992年にAngewandte Chemieの編集部に加わりました。その後1997年に同誌の副編集長に昇格、また2002年からはChemistry – A European Journalの編集長を兼務しています。トップ化学誌の編集に豊富な経験をもつ新編集長の下で、Angewandte Chemieのさらなる発展が期待されます。

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