東工大・大隅 良典特任教授がワイリー生物医学賞を受賞 / 日本人研究者では2人目

出版社John Wiley & Sons社 (Wiley)が運営し科学振興を目的とする財団 The Wiley Foundation (ワイリー財団)は2月25日、今年で15回目となるWiley Prize in Biomedical Sciences (ワイリー生物医学賞)を東京工業大学 フロンティア研究機構の大隅 良典特任教授(総合研究大学院大学 名誉教授、基礎生物学研究所 名誉教授、東京工業大学 栄誉教授)に贈ることを発表しました。細胞が内部のタンパク質を自ら分解し再利用する「オートファジー(自食)」のメカニズムを発見したことが授賞理由です。

大隅教授は、これまでにも日本学士院賞(2006年)、京都賞基礎科学部門(2012年)、ガードナー国際賞(2015年)など数々の権威ある賞を受賞しています。今回ワイリー生物医学賞の選考委員長を務めたGünter Blobel博士は、「大隅教授は研究者としてのキャリアを通じて、オートファジーの過程と疾患におけるその役割の解明に向けて先駆者的な貢献を果たしてきた」として、同教授の功績を称えています。

2002年に始まったワイリー生物医学賞は、生物医学の研究において新たな領域を切り開いたり、特定の領域の概念に進歩をもたらすといった顕著な貢献を果たした研究者に毎年贈られてきました。高名な研究者が名前を連ねる過去の受賞者のうち、これまでに5人が後にノーベル生理学・医学賞の受賞者にもなっています。また日本人研究者がワイリー生物医学賞を受賞したのは、2005年の京都大学・森 和俊教授に続いて大隅教授が二人目です。

授賞式は4月8日、米ロックフェラー大学で開催され、受賞者に賞金3万5千ドルが贈られます。また授賞式では、The Rockefeller University Lecture Seriesの一環として、大隅教授による受賞記念講演が行われます。この講演は、WileyのCurrent Protocols’ Webinar Seriesの一部として無料でウェブ配信されます。視聴申し込みは、こちらのページで受け付けています。

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