グレッツェル研の「色素増感型太陽電池」をiPad用ワイヤレスキーボードに搭載 - Logitechの新製品”Folio”

Logitech社は5月、「色素増感型太陽電池」(dye-sensitized solar cells, DSSCs)を搭載したiPad用ワイヤレスキーボードの新製品”Folio”を欧米で発売しました。色素増感型太陽電池が商業的な製品に本格的に採用されたのは今回が初めてとのことです。材料科学のニュースサイトMaterials Viewsが伝えています。
 ⇒ Materials Views - Graetzel DSSCs used in new iPad keyboard

色素増感型太陽電池は、光を受けた色素が電子を放出する働きを利用して発電するもので、次世代の太陽電池として近年注目されてきました。(参考: Chem-Station「気になる化学用語」色素増感型太陽電池 / Dye-sensitized Solar Cells) 今回採用された電池は、この技術のパイオニアとして知られるスイス・ローザンヌ工科大学のミヒャエル・グレッツェル(Michael Graetzel)教授のラボから技術協力を受けたG24i社が製造したもので、かつて色素増感型太陽電池の弱点とされた変換効率が26%まで向上しているそうです。この技術の実用化により、G24i社は5月にベルリンで開かれたイベント Energy Harvesting and Storage Europe で”2012 Best Technical Development of an Energy Harvesting Device”に選ばれました。

★ Logitechの製品情報 ⇒ Logitech Solar Keyboard Folio
室内光で使えるのはもちろん、完全に充電すると、暗闇の中でも一日2時間の使用で2年間持つそうです。希望小売価格は$129.99。

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