創刊120周年を迎えた無機化学ジャーナルZAACが、著名化学者による化学史記事とアクセス上位論文を無料公開

Zeitschrift für anorganische und allgemeine Chemie (ZAAC, “Journal of Inorganic and General Chemistry”の意)は、1892年に創刊され、今年120周年を迎える無機化学・物性化学・錯体化学の雑誌です。誌名が示すようにドイツ語の雑誌として出発しましたが、のちに国際色を強め、現在掲載されるのはほとんどが英語の論文となっています。

■ 2012年初号に掲載された記念巻頭言
 ⇒ Jansen, M., Klapötke, T. M., Limberg, C. and Turba, S. (2012), ZAAC – 120 Years and still going strong. Z. anorg. allg. Chem., 638: 3–4. doi: 10.1002/zaac.201290002

今年のZAACは、創刊120周年を記念して、化学史に関する記事を掲載しています。これまでに掲載されたのは下記の4報です。いずれも世界的な化学者による読み応えある記事を、どなたでもお読みいただけるよう無料公開しています。

1. マインツ大学Philipp Guetlich名誉教授による「メスバウアー分光法の歴史」
 ⇒ Gütlich, P. (2012), Fifty Years of Mössbauer Spectroscopy in Solid State Research – Remarkable Achievements, Future Perspectives . Z. anorg. allg. Chem., 638: 15–43. doi: 10.1002/zaac.201100416

2. ハイデルベルク大学Lutz H. Gade教授による「アルフレート・ヴェルナーの錯体化学理論」
 ⇒ Gade, L. H. (2012), A Flash of Genius: Alfred Werner’s Coordiantion Theory. Z. anorg. allg. Chem., 638: 247–248. doi: 10.1002/zaac.201290005

3. マックス・プランク財団フリッツ・ハーバー研究所のGerhard Ertl名誉教授(2007年ノーベル化学賞受賞)による「ハーバー・ボッシュ法への困難な道のり」
 ⇒ Ertl, G. (2012), The Arduous Way to the Haber–Bosch Process. Z. anorg. allg. Chem., 638: 487–489. doi: 10.1002/zaac.201190458

4. ミュンヘン大学Florian Kraus講師による「オットー・ルフと、世界を変えた六フッ化ウラン」
 ⇒ Kraus, F. (2012), Otto Ruff and a Fluoride that Changed the World in Many Ways: UF6. Z. anorg. allg. Chem., 638: 707–709. doi: 10.1002/zaac.201210008

さらにZAACは、過去1年間でアクセス数上位の論文25報を無料公開中です。下のリンク先の、Wiley Asiaブログからご覧下さい。
 ⇒ Wiley Asia ブログ - Zeitschrift für anorganische und allgemeine Chemie: The 25 most accessed research articles

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