ペルシラスタファンの合成と電子状態 - 東北大・岩本武明教授研究室による論文をChemistry Viewsが紹介

「ペルシラスタファン(persilastaffane)」とは、ケイ素原子によるかご型の骨格を一つないし複数含む化合物の総称です。その電子状態については以前から関心が持たれてきましたが、合成が達成されていなかったため実験的な研究が不足していました。

このほどAngewandte Chemie Internation Editionに掲載された論文で、東北大学大学院理学研究科・岩本 武明 教授の研究室は、かご型の骨格を一つから三つまで有するペルシラスタファンの合成に成功するとともに、スペクトル測定によって電子状態を明らかにし、ケイ素のかごの連なりに沿ってσ電子の非局在化が起こっていることを確認しました。今後、その電気伝導性を利用して、分子ワイヤなどの材料として応用が期待されます。

この論文の内容は、Wiley-VCHとChemPubSoc Europe(欧州の16化学会の連合体)が提供する化学ニュース配信サイトChemistry Viewsで紹介されています。
 ⇒ Chemistry Views: Cages Strung Together

原論文はこちら ⇒
Iwamoto, T., Tsushima, D., Kwon, E., Ishida, S. and Isobe, H. (2011), Persilastaffanes: Design, Synthesis, Structure, and Conjugation between Silicon Cages. Angewandte Chemie International Edition. doi: 10.1002/anie.201106422

カテゴリー: 論文 タグ: パーマリンク