<論文紹介> シリコン量子ドットで超格子を初めて実現|オプトエレクトロニクス材料として可能性(ChemPhysChem誌)

テキサス大学オースティン校のBrian A. Korgel教授らの研究グループは、シリコンのコロイド状量子ドットを自己組織化させることによって、超格子を形成することに初めて成功、その成果をChemPhysChem誌で発表しました。

 ⇒ Yu, Y., Bosoy, C. A., Hessel, C. M., Smilgies, D.-M. and Korgel, B. A. (2012), Silicon Nanocrystal Superlattices. ChemPhysChem. doi: 10.1002/cphc.201200738 (本文を読むにはアクセス権が必要です)

シリコンは、バルクの状態では発光に適していませんが、ナノ結晶である量子ドットになると高効率で発光し、レーザーの発光源にもなりうることがこれまでの研究で明らかになっています。このことから、シリコンの量子ドットはオプトエレクトロニクスの材料としての応用が期待されますが、これまでシリコン量子ドットで超格子のような秩序配列を持つ集合体を製造した例はありませんでした。今回テキサス大の研究グループが新たな方法で製造に成功した超格子は、面心立方構造を持ち、また熱的安定性が高く、350℃以上の高温でも構造を維持することが確認されました。今回の成功が、シリコンの特性について新たな発見につながり、材料としての応用可能性を広げることが期待できます。

□ 化学ニュースサイトChemistry Viewsに掲載された紹介記事
 ⇒ A Bright Future for Silicon

カテゴリー: 論文 パーマリンク