ビジネス用SNS・LinkedInはサイエンスにも役立つか? 製薬コンサルタントに聞く(Chemistry Viewsインタビュー)

化学ニュースサイトChemistry Viewsは、研究者向けSNS「ResearchGate」を使う化学教授へのインタビュー(当ブログ記事: 化学教授が語る、研究者向けソーシャルネットワークResearchGateの優れた点を先日掲載したのに続き、今回はビジネス用SNS「LinkedIn」を活用している製薬コンサルタントPaul Smith氏に、その特徴と利点を聞いています。
 ⇒ Chemistry Views: Social Media in Sciences – Interview with P. Smith, Agilent Technologies

Smith氏は大学で分光法を専攻し、製薬企業スミスクラインビーチャム(現グラクソ・スミスクライン)に勤務ののちコンサルタントに転身、その傍らLinkedInでNLP (Neuro-Linguistic Programming)フォーラムを主宰しています。LinkedInは、ビジネス分野の人々向けのソーシャルネットワーキングサービスとして欧米では広く利用されており、最近では日本でも普及が進んでいます。

Smith氏は、SNSの中でLinkedInを最もよく使い、主な用途はフォーラムでの議論と、ビジネス上の知人とのコンタクト維持です。初めて知り合った人をLinkedInで探すと、およそ3~4人に1人の割合で見つかるそうです。またフォーラムは、自分が何かについて情報を得たいときに質問を投稿したり、他の人たちが何を議論しているか知ったりするのに使い、また自分の知識を他のユーザーと積極的にシェアするようにしています。

Smith氏によると、LinkedInのユーザーはFacebookよりも年齢層が高く、またFacebookでは話しにくい仕事やキャリアについて話題にするのに適しているそうです。ResearchGateやMyRSCと比較すると、それらのSNSは大学の科学者向けという性格が強く、一方LinkedInは民間企業勤務の人たちに使われる傾向があるとSmith氏は見ています。

LinkedInのフォーラムは、意見・情報交換の場として有益である反面、宣伝目的の「スパム」投稿が増える傾向にあることが悩みの種で、フォーラム主宰者がスパム削除に追われたり、スパムを禁じる規約の制定を余儀なくされることも起こっているそうです。

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