Wiley-VCHとACESがアジア発の有機化学ジャーナルAsian Journal of Organic Chemistry (AsianJOC) を創刊

John Wiley & Sons, Inc.の科学技術出版事業部の一部門であるWiley-VCHと、公益社団法人日本化学会をはじめとするアジア太平洋地域の13化学会の連合体the Asian Chemical Editorial Society (ACES)は3月26日、Asian Journal of Organic Chemistry (AsianJOC)の創刊を発表しました。同誌は、アジア全域の化学会の連携により刊行されるジャーナルとしては、ACESとWiley-VCHによって2006年に創刊されたChemistry – An Asian Journal (2010年インパクトファクター: 4.188)に続き2誌目となります。

ACESは、日本化学会のほかオーストラリア、中国、香港、インド、インドネシア、韓国、マレーシア、ニュージーランド、シンガポール、台湾、タイ、ベトナムの各化学会から構成される連合体です。さらにACESは、AsianJOCの刊行にあたりKorean Society of Organic Synthesisの参加を得ました。

Asian Journal of Organic Chemistry (www.AsianJOC.org) は、有機化学のあらゆる領域における原著および総説論文を、厳格な査読を経て出版します。創刊初号は2012年秋に、冊子体とともにWiley Online Libraryを通じてオンライン版として発行され、その後は月刊で発行される予定です。AsianJOCは、Wiley-VCHとChemPubSoc Europeが出版する European Journal of Organic Chemistry の姉妹誌となります。(ChemPubSoc Europeは、欧州の各国化学会による連合体で、ACESの姉妹団体に当たります。)

AsianJOCの編集委員会を共同編集委員長としてリードするのは、Sung Ho Kang教授(韓国・KAIST)、丸岡啓二教授(京都大学)、Zhang Deqing教授(中国科学院化学研究所)の三人の先生方です。有機化学における三先生方の広範な学識は、幅広い領域をカバーするAsianJOCにまさにふさわしいと言えましょう。三人の編集委員長は、共同声明の中で「これまで最上位の国際的な有機化学ジャーナルは、米国か欧州の雑誌に限られてきました。Asian Journal of Organic Chemistryは、アジアの有機化学者にとっての夢を実現するものです」と語っています。

この新しいジャーナルを支える名誉編集顧問には、ノーベル化学賞受賞者である根岸英一、鈴木章、野依良治各先生が名前を連ねています。また三人の共同編集委員長とともに、多くの著名な有機化学者が編集委員または国際編集顧問として参加し、AsianJOCがめざす高い水準の実現を支援します。

ACESの会長を務めるYoungkyu Do教授(KAIST)は、「Asian Journal of Organic Chemistryの創刊は、アジアの有機化学界の目覚しく、またたゆみない成長を反映するものだ。この成長を、焦点が明確でなおかつ高いクオリティの出版物を通じて世界に示すことができるのは楽しみだ」と語っています。また有機化学界を代表するひとりでAsianJOCの名誉編集顧問でもある中西香爾教授(コロンビア大学)は、「アジア各国からの投稿の急増を考えると、本誌の創刊は素晴らしいことだ」と話しています。

<関連リンク>

■ プレスリリース原文(英語)
 ⇒ Wiley-VCH and ACES to Launch Organic Chemistry Journal Rooted in Asia

□ Wiley Online LibraryのAsian Journal of Organic Chemistryホームページ
 ⇒ www.AsianJOC.org

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■ AsianJOCのフライヤー(チラシ) ⇒ ダウンロード(PDF)

□ (追記)関連記事
 ⇒ Asian Journal of Organic Chemistryの共同編集委員長・丸岡啓二先生インタビュー (Chemistry Views)

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