<記事紹介> 論文査読者の迷コメント集(Environmental Microbiology誌から)

分野違いなので当ブログの読者には知られていないと思いますが、Wiley-BlackwellのEnvironmental Microbiology誌では毎年「Referees’ quotes」と題して、査読者から寄せられたコメントの中から面白いものを紹介する記事を載せています。昨年の12月号に掲載された2011年版「Referees’ quotes」から、一部を抜粋して拙訳でご紹介します。

元の記事はこちらです。(同誌へのアクセス権が必要です)
 ⇒ (2011), Referees’ quotes – 2011. Environmental Microbiology, 13: 3312. doi: 10.1111/j.1462-2920.2011.02660.x

苦言や「ぼやき」のコメントが多いですね。

  • この論文の著者が誰であれ、Resultsを可能な限り理解不能なものとするよう努力したらしい。多くのプロットや図表の説明はしばしば最小限に留まり、まるで著者が図表を描いた時点で力尽きて、必要な説明を書き加える前にぶっ倒れてしまったようだ。
  • 査読者1: このように完璧でうまく書かれた論文を読むのは喜びだ。 査読者2: 同じ問題を取り上げて、実験手続きが甘いため疑わしい結果となった論文は数多くある。この論文も、その点で変わりがない。
  • いいコメントを書きたいところだが、私の脳はすっかり飽きてしまって何も気の利いたことを言えない。頼むから、私の脳内に火花が上がるような研究を送ってくれ!
  • この論文は、別の機会に読んだことがある。そのときと何も変わっていないから、私の批判と助言も前回とまったく同じだ。批判と助言は、むしろあなた(編集者)のためのものだ。なぜなら著者がそれを有益と思ってくれることはもはや期待できないから。
  • すばらしいストーリーだが、少し長すぎ、最後には少し飽きてくる。
  • この研究の主題は興味深いが、結果はあまり新しくない。著者は過去の研究よりも大きな「銃」を使ったが、煙がたくさん出ただけだ。この論文には、ほかにも数多くの問題があるが、せっかくの土曜の夜に、これ以上詳しく述べる気にはなれない。
  • この論文には、実際のデータよりも憶測のほうが多い。
  • この論文の共著者は、どうして自分の名前が載ることを許したのか?
  • よくあることだが、大量のピロシークエンシングデータを生産することがよいストーリーを生むわけではない。「16S rDNA」を真剣に分析した古きよき時代は終わったのだろうか。どうやら私は老いの兆候を見せ始めているらしい…
  • 「water leg」とは何のことか分からない。本誌の読者の多くも同じだろう。

一方、いい論文を賞賛するコメントもあります。こんな風に言われたらうれしいでしょうね。

  • 私が今から夏休みに入るのでなければ、研究室に駆け込んで私の培養株が本当にこの論文と同じ化合物を生産するのか確かめるのだが。(原文では、編集者が「これは論文への冗談めいた褒め言葉で、実際にはすべての査読者に守秘義務が課せられています」と付記しています)
  • すばらしい論文だ! 最初から最後まで、読んでいて楽しかった!

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