<論文紹介> 名前に ミドルネームのイニシャルが含まれると頭がいいと思われやすい(心理学)

name論文で欧米人著者の名前を見ると、Scott A. Snyder のように、1つないし複数のミドルネームがイニシャル表記されていることがよくあります。そのようなミドルネームのイニシャル(ミドル・イニシャル)は、名前の持ち主を賢そうに見せる効果があるようです。そのことを実証した研究結果を、英サウサンプトン大学などの心理学者らがEuropean Journal of Social Psychology誌で発表しました。

この論文の著者らは、ミドル・イニシャルの有無から人が受ける印象が、名前の持ち主の能力評価に与える影響を調べる目的で一連の実験を実施しました。例えば、相対性理論を解説する同じ文章を被験者に読んでもらい、その文章がうまく書けているかを7段階で評価させる実験では、文章の著者として”David Clark” のようにミドル・イニシャルを含まない名前を示された被験者が平均で4.92ポイント(数字が大きいほど高評価)を付けたのに対し、”David F. P. Clark” のようにミドル・イニシャルを1つ以上含む著者名を示された被験者は平均5.62と、有意に高い評価を与えました。

並行して行われた実験によって、ミドル・イニシャルを含む名前は文章能力のような知的能力の面で高評価を得やすいが、運動能力などの評価には影響しないことが分かりました。また被験者は、ミドル・イニシャルを含む名前から高い社会的地位や教育水準を連想し、それが知的能力の高評価につながることも明らかになりました。

著者らによると、ミドル・イニシャルは名前をフォーマルに表記するときに使われ、学術論文や弁護士・医師などによる公的文書で目にすることが多いため、知的な印象につながりやすいようです。私たち日本人もミドル・イニシャルを使うようにすると、投稿論文がアクセプトされる確率が少し高くなるかも!?

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