海外出版社から本を出すための「出版企画書」の書き方|Wileyのエディターが教える7つのポイント

writing自分が研究から得た知識を雑誌論文だけでなく本にまとめ、英文書として世界の読者に届けたいと考える人もいらっしゃるでしょう。Wileyのような海外出版社に本の企画を持ち込む際に、予め一冊分の原稿を丸々用意する必要はありません。まずは、こういう本を出したいというアイディアをBook Proposal(出版企画書)の形にまとめ、候補となる出版社に送りましょう。

企画をスムーズに通すには、その分野で実績のある出版社を選ぶことが重要なのはもちろんですが、企画の意義をエディターに正しく理解してもらえるよう適切な情報を企画書に盛り込むことも大事です。Wileyで土木建築分野の編集責任者を務めるPaul Sayerが、Wileyのブログ Exchanges で、出版企画書を用意するときに押さえておきたいポイントを助言しています。下に要点をまとめましたが、詳しくはリンク先の原記事をご参照下さい。

1. Overview (概要)

その本の目的とカバーする範囲を、200-300語程度でまとめましょう。本の表題や内容のほか、読者の購買意欲をそそるような主題の選び方・扱い方も考えましょう。

2. Contents (目次・章立て)

章立ての案と、各章の内容を簡単に記述しましょう。

3. Readership (読者層)

想定される読者層について十分に考え、なるべく具体的に書きましょう。国際的にアピールする内容か、特定の地域向けかも重要なポイントです。

4. Competing titles (競合する本)

その本に対して需要が存在する理由として、例えばその分野が近年急速に発展したため既存の文献では不十分であることなどを説明する必要があります。自分の企画と競合する類書をリストアップして、それぞれの長所と短所、そしてそれらの本と比べて自分の企画が優れている点を具体的に書くといいでしょう。

5. Timetable (スケジュール)

原稿の準備が現在どのような段階にあり、いつ頃完成予定かを示しましょう。正確なページ数を見積もる必要はありませんが、原稿の長さが何語くらいになりそうか、また図表類がどのくらい必要かは考えておきましょう。

6. Other relevant information (その他の情報)

例えば各章を異なる著者が担当する編著を企画している場合なら、執筆者リストの案を用意するといいでしょう。

7. 企画書の提出

出版社のエディターを知らない場合、出版社のサイトで見つけた代表アドレスに企画書を送ってしまうと、返事をもらうのに余分な日数がかかるかもしれません。Wileyでは、企画書の窓口として、各分野で出版企画を検討するCommissioning Editorのリストを公開しています。また、自分の簡単な経歴も忘れずに伝えましょう。

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