英国の公共図書館で学術誌8,400タイトル・論文150万報への無料アクセスが可能に|出版社17社の参加によるAccess to Researchプロジェクトを試験的に2年間実施

library英国内の公共図書館で学術文献への無料アクセスを提供するプロジェクトAccess to Researchが2月3日スタートしました。Wileyを含む主要な学術出版社17社が参加、プロジェクトに参加した公共図書館の来館者は、管内の端末から約8,400タイトルの学術誌中の150万報を超す論文を無料で閲覧できます。このプロジェクトは図書館界と出版界の協力によって実現したもので、大学・科学担当の国務大臣David Willetts氏は、一般市民による学術研究の成果へのアクセスを拡大する試みとして歓迎する声明を発表しています。

Access to Researchは、英国政府の諮問を受けた「フィンチ・グループ」の勧告に応えて、出版物の著作権管理団体the Publishing Licensing Societyの主導によってスタートしました。提供対象となるコンテンツの内訳は医学・生物学(20%)、社会科学(18%)、工学(14%)などとなっています。特に遠隔教育を受講する学生、特定の機関に所属しない研究者、中小企業の研究者・技術者といった人々に大きな利便をもたらすことが期待されます。

今回の無料アクセスは、今後2年間試験的に提供され、その間に将来の方針を決めるためのデータ収集が行われます。現時点で参加している出版社はWileyのほか ALPSP, Bloomsbury Publishing, Cambridge University Press, Dove Press, Elsevier, Emerald, IOP Publishing, Nature Publishing Group, Oxford University Press, Portland Press, SAGE Publications, Science Reviews 2000 Ltd., Springer, Taylor & Francis, Versita, Wolters Kluwer Health の計17社で、今後さらに多くの出版社の参加が予想されています。

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