<論文紹介> JAMSTEC・理研の共同グループが、海底の熱水噴出孔で燃料電池による発電に成功|熱水と海水の電位差を利用 (ACIE)

Angewandte Chemie International Edition独立行政法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)と理化学研究所・環境資源科学研究センターによる共同研究グループは、沖縄トラフの深海底に設置された人工的な熱水噴出孔で発電実験を行い、熱水と海水の間の電位差を利用して燃料電池による発電に初めて成功、その成果をAngewandte Chemie International Edition (ACIE)で報告しました。

 ⇒ Yamamoto, M., Nakamura, R., Oguri, K., Kawagucci, S., Suzuki, K., Hashimoto, K. and Takai, K. (2013), Generation of Electricity and Illumination by an Environmental Fuel Cell in Deep-Sea Hydrothermal Vents . Angew. Chem. Int. Ed.. doi: 10.1002/anie.201302704
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同グループは、海底から噴き出す熱水には硫化水素のような還元性の物質が多く含まれる一方、周辺の海水には酸素などの酸化性物質が多く含まれるため、酸化還元勾配によって両者間には約520mVの電位差が生じていることを実測で確認しました。このことに注目した同グループは、熱水噴出孔と周辺の海水のそれぞれに電極を設置して電線でつないだだけというきわめてシンプルな燃料電池(熱水-海水燃料電池)を使って発電実験を行い、消費電力21mWのLEDライトを点灯させることに成功しました。

今回の実験では電極のサイズが小さいため微小な発電に留まりましたが、電極の改良によって、より大きな電力を得られる可能性があるとのことです。実用化に成功すれば、深海で長期的な研究や開発を行う際の電力供給源として役立つことが期待できます。詳しくは上記の論文と併せて、下のJAMSTECプレスリリースをお読み下さい。

■ JAMSTECプレスリリース: 海底から噴出する熱水を利用した燃料電池型発電に成功 ~深海における自律的長期電力供給の可能性~ (2013年9月3日)

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