<論文紹介> ブタクサから新規なセスキテルペノイドの分離に成功|花粉症のメカニズム解明につながるか(Eur. JOC)

雑草の一種ブタクサ(Ambrosia artemisiifolia)は、花粉症を引き起こすことから世界各国で人々を悩ませており、日本でも花粉症の原因植物としてはスギ・ヒノキに次いで三番目なのだそうです。

このほど、ナポリ大学のOrazio Taglialatela-Scafati教授らの研究グループはブタクサから多数のセスキテルペノイドを分離、そのうち8種は新規なものと分かりました。また、これらセスキテルペノイドのいくつかは、気道の炎症・過敏反応を引き起こすといわれる神経細胞中のセンサーTRPA1を活性化させる作用を持つことが確認されました。

今回発見されたセスキテルペノイドが花粉症の直接原因と特定されたわけではありませんが、原因のひとつとして花粉症の発症に関与している可能性はあり、今後の発症メカニズムの解明と治療法の開発につながることが期待されます。

この研究成果はEuropean Journal of Organic Chemistryに報告され、注目論文EurBest in EurJOCに選ばれました。(無料公開中)

 ⇒ Taglialatela-Scafati, O., Pollastro, F., Minassi, A., Chianese, G., De Petrocellis, L., Di Marzo, V. and Appendino, G. (2012), Sesquiterpenoids from Common Ragweed (Ambrosia artemisiifolia L.), an Invasive Biological Polluter. Eur. J. Org. Chem.. doi: 10.1002/ejoc.201200650

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