魚油に含まれるオメガ3脂肪酸、認知機能低下の予防にはならない?

Cochraneに掲載されたレビューで、高齢者によるオメガ3脂肪酸が含まれる魚油の摂取は、認知機能低下の予防にはおそらく効果がないと発表されました。3年半以下の期間で行われた研究の結果、魚油サプリはプラセボ摂取と比べても特に認知機能の改善はなく、より長期間にわたる影響を研究する必要があるとの結論が出ました。
加齢における脳の神経細胞の健康維持に、オメガ3脂肪酸と特にDHAの有効性を示唆する研究がなされてきましたが、認知低下や認知症の予防における脂肪酸の効果はまだ証拠が限られています。
London School of Hygiene & Tropical Medicine (LSHTM)のSydenham史が先導した調査で、60歳以上の計3536名が6ヶ月から40ヶ月の期間の試験に参加し、オメガ3脂肪酸とプラセボを摂取した人の違いを精神状態・発話流暢性・記憶の側面から確認したところ、違いは見られませんでした。但し、これらの結果は比較的短い期間で行われたものであり、サプリの効果を確認するのにはさらに長期間にわたる研究を要すると語りました。また、魚自体は健康的な食事の重要な要素であり、週に2回の摂取、うち1回は脂肪分の多い魚を取ることは依然推奨していると強調されています。

プレスリリース原文(英語)
Role of Omega-3 in Preventing Cognitive Decline in Older People Questioned

Cochrane Library Review本文(英語)
*Abstract(抄録)は無料公開。レビューの全文を読むにはCochrane Libraryへのアクセス権が必要となります
Omega 3 fatty acid for the prevention of cognitive decline and dementia

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