ChemSusChem誌から「エネルギー変換・貯蔵のためのナノ構造形成」特集号|太陽光発電や人工光合成などの分野での成果を伝える論文を収録

sunlight太陽光発電や人工光合成に代表されるように、クリーンで豊富な自然のエネルギーの活用は人類的な課題であり、そのためのエネルギー変換・貯蔵技術の改良に各国の研究者がさまざまなアプローチで取り組んでいます。特にエネルギー変換素子や触媒などの性能向上のカギを握ると見られているのが、多孔質材料やナノ粒子といったナノ構造体で、適切なナノ構造を形成するための制御技術がこの分野にとって非常に重要となっています。

ChemSusChemサステイナブル・ケミストリーの専門誌ChemSusChemの2013年10月号は、“Shaping Nanostructures for Applications in Energy Conversion and Storage”(エネルギー変換・貯蔵への応用のためのナノ構造形成)をテーマとする特集号で、関連の総説および原著論文28報を収録しています。各論文が取り上げる材料を大まかに分けると (1) 金属および合金 (2) 酸素含有化合物 (3) その他(グラフェン、窒化物、II-VI族半導体材料など) の三つになります。

収録論文のひとつ、大阪大学大学院工学研究科・福住 俊一教授と山田 裕介准教授による総説Shape- and Size-Controlled Nanomaterials for Artificial Photosynthesisは、人工光合成による水の酸化還元反応で光収穫・電荷分離・光触媒に用いられる材料についての近年の研究を検討し、ナノ粒子のサイズ・形態制御によって性能向上を実現した成果を論じています。

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