EUで尿汚水からのリン・アンモニア回収をめざすプロジェクトValuefromUrineが進行中

尿汚水に含まれるリン・アンモニアを資源として効率よく回収するための技術開発をめざすEUプロジェクトValuefromUrineが昨年9月にスタートし、2016年後半の完了を目標に現在進行中です。化学ニュースサイトChemistry Viewsが伝えています。

 ⇒ Recover Nutrients from Urine (Chemistry Views, May 5, 2013)

リンとアンモニアは、ともに農業用肥料の製造に欠かせない重要な資源です。しかしリンの原料となるリン鉱石は数十年で枯渇すると言われ、世界的に懸念されています。また現在アンモニア製造の主流となっているハーバー・ボッシュ法は、大量の電気エネルギーを消費するのが難点です。

オランダなど5か国から環境技術に関わる研究所・企業など7機関の参加を受けて始まったこのプロジェクトは、一般家庭に設置して1日あたり100リットルの尿から95%のリンとアンモニアを回収できるシステムのひな形づくりを目標に置いています。EU全体で発生する尿汚水からリン・アンモニアを完全に回収できれば、EU内で農業用肥料に必要なリンの18%、窒素の25%をそれぞれ賄える計算になるそうです。汚水として処理するしかなかった尿の資源化を図るEU規模での取り組みとして、注目されます。

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