2016年11月のワイリー理工書ベストセラーはこちら!

日本で11月に最もよく売れたWiley(Wiley-Blackwell, Wiley-VCHを含む)の理工書トップ5をご紹介します。タイトルまたは表紙画像をクリックすると、目次やサンプル章(Read an Excerpt)など、詳しい内容をご覧いただけます。

Polymer Analysis1位 Polymer Analysis
 Barbara H. Stuart
 ISBN: 978-0-471-81363-7
 Paperback / 304 pages / January 2002

高分子の多様な分析法を習得するための好評教科書です。主要な分析テクニックを分かりやすく提示するとともに、それらを高分子研究に応用する方法を解説します。

Linear Models, 2nd Edition2位 Linear Models, 2nd Edition
 Shayle R. Searle, Marvin H. J. Gruber
 ISBN: 978-1-118-95283-2
 Hardcover / 696 pages / October 2016

データ解析に有用な統計的線形モデルを学ぶための、上級学部生~院生向け教科書。約20年ぶりの改訂を受けたこの第2版では、デザインを一新して読みやすさの改善を図るとともに、事例や練習問題などを充実させ、独習のための効果を高めています。

Automotive Handbook, 9th Edition3位 Automotive Handbook, 9th Edition
 Robert Bosch GmbH
 ISBN: 978-1-119-03294-6
 Hardcover / 1544 pages / January 2015

多くの国で翻訳出版され広く利用されている、自動車工学の定番参考書。「ボッシュ自動車ハンドブック」として刊行されている日本語版の最新第3版は、本書の1つ前の版にあたる第8版(2011年)を邦訳したものです。この第9版は旧版を4年ぶりに改訂したもので、技術の新展開を踏まえた最新情報を収録しています。

Biochemistry and Molecular Biology of Plants4位 Biochemistry and Molecular Biology of Plants, 2nd Edition
 Edited by Bob B. Buchanan, Wilhelm Gruissem, Russell L. Jones
 ISBN: 978-0-470-71421-8
 Paperback / 1280 pages / August 2015

カリフォルニア大学バークレー校のBob B. Buchanan名誉教授らによる、植物の生化学・分子生物学を総合的に扱う定評ある教科書の改訂第2版です、2000年に出版された初版は大成功を収め、その充実した内容と分かりやすさで名著としての評価を確立しています。今回の第2版は、その後の研究の新展開を盛り込むため大幅に改訂され、半分以上の章が書き直されました。またシグナル伝達と病原体応答に関する章が新たに追加されました。

Low-profile Natural and Metamaterial Antennas5位 Low-profile Natural and Metamaterial Antennas: Analysis Methods and Applications
 Hisamatsu Nakano
 ISBN: 978-1-118-85979-7
 Hardcover / 304 pages / September 2016

アンテナ工学の世界的研究者として知られる中野 久松・法政大学名誉教授の新著となる本書は、さまざまな種類の新規な素子による低姿勢アンテナを取り上げています。特に、従来の材料では実現できないユニークな特性をもつメタマテリアルのアンテナ技術への応用については、重点的に論じられます。


ご注文は最寄りの書店・ネット書店で承ります。

カテゴリー: 書籍 | タグ: | コメントは受け付けていません。

<記事紹介> h-Indexがこんなに高い自分の論文をデスクリジェクトするなんてありえない? Angewandte Chemie編集部が受けた抗議

Peter Goelitz portraitAngewandte Chemie International Edition の2017年新年号に、同誌の編集長Peter Gölitz氏が巻頭言(Editorial)を寄稿、この記事が昨日オンラインで先行公開されました。その中で同氏は、研究者にのしかかる「高インパクトファクターのジャーナルで論文を出したい」というプレッシャーが、若手だけでなく既に名声を確立した研究者までも堕落に導いていると警告し、それに関するエピソードを紹介しています。

最近Angewandte Chemie誌に、ある研究者からドラッグデリバリーの特定の側面に関する総説論文を執筆したいというオファーがありました。編集部では、その主題は人気があり引用されやすいが、同誌で扱うには特殊すぎると判断し、読者層がよりフィットする別の姉妹誌への投稿をすすめました。著者からの回答は、「自分たちは研究資金や奨学金を得るために高インパクトのジャーナルで出版しなくてはならないので、せっかくのご提案だがお断りする」というものでした。

もう一つの例は、ある化学者からの投稿論文を、主題が特殊すぎ、しかも長すぎるという理由からデスクリジェクト(査読に回さず、エディターの判断だけで行うリジェクト)にしたときのことです。その判断に対して、著者のグループから怒りの抗議メールが届きました。その中で著者らは、自分たちのh-index (被引用回数に基づく研究者の評価指標)がいかに高いか、またこれまでの200報以上の論文がどれだけ多くの被引用を獲得してきたかを訴えていました。それだけの実績を持つ自分たちの論文を査読にさえ回さないのはおかしいと言いたかったようですが、Gölitz氏は、自分たち編集部はすべての投稿論文を偏見なく評価しており、投稿された論文そのもの以外の要素を考慮する余地はないとしています。

Credit - Shutter_M/Shutterstock

Credit – Shutter_M/Shutterstock

この記事によると、Angewandte Chemie誌への投稿は毎年増加の一途をたどり、2016年に投稿されたCommunication(短報)は12,000報に迫っています。(記事中のグラフ Figure 3 は、特にアジアからの投稿の急増を示しています。) そのうちアクセプトされて出版に至るのは約2,570報にすぎず、残りの約9,500報は何らかの形でリジェクトされています。その中でも、前述のデスクリジェクトの対象になったのが、およそ半数に相当する4,800報でした。そのような論文の多くは、研究としてはちゃんとしているが、同誌に載せるには主題が特殊すぎるというものですが、中には「いったい何を思ってこれを投稿してきたんだ?」と頭を抱えてしまうようなレベルの低い投稿もあるそうです。

そのほかこの記事は、2017年9月11日にベルリンで開催されるAngewandte Symposiumの予定を伝えています。このシンポジウムは、2017年にドイツ化学会(GDCh)が創立150周年を迎えるのを記念して開催されるものです。講師には、Ben Feringa, Bob Grubbs, W. E. Moerner, Jack Szostakという4人のノーベル賞受賞者のほか、世界レベルの著名な化学者が招かれ、日本からは伊丹健一郎・名古屋大学教授が選ばれています。

カテゴリー: ジャーナル, 一般 | コメントは受け付けていません。

本日19時から2016年ノーベル化学賞受賞記念講演 “Nobel Lecture” / 併せて読んでおきたい論文をWileyが無料公開中

今週は、スウェーデンのストックホルムで2016年ノーベル各賞の授賞式と関連式典が行われる「ノーベル・ウィーク」です。昨日(7日)は、医学生理学賞を受賞した大隅 良典・東京工業大学栄誉教授が、一般の聴衆に向けて研究業績の意義を語る記念講演 Nobel Lecture を行いました。講演の模様をTVニュースや、中にはネットのライブ中継で視聴した人もいらっしゃるでしょう。

それに続いて今日8日は、分子マシンの研究における功績により化学賞を共同受賞した Jean-Pierre Sauvage, Sir J. Fraser Stoddart, Bernard L. Feringa の三氏による Nobel Lecture が、日本時間19時から始まります。こちらもYouTubeでライブ配信されます。

The Dynamic Chemistry of Molecular Borromean Rings and Solomon Knots

Stoddart教授の論文 The Dynamic Chemistry of Molecular Borromean Rings and Solomon Knots (2010)のグラフィカル・アブストラクト

さらにこの機会に、今回の受賞業績をより深く知りたい方は、Wileyが選んだ三氏の代表的な論文を読んでみてはいかがでしょうか。受賞者の三氏はいずれも、Angewandte Chemie International EditionをはじめとするWileyの化学ジャーナルで、多数の論文を発表してきました。三氏の受賞を記念して、Wileyはそれらの中から特にインパクトの高い論文を選んで、化学ニュースサイト Chemistry Views で2016年12月31日まで無料公開しています。

カテゴリー: 論文 | タグ: | コメントは受け付けていません。

自分の論文の読者と引用を増やすのをお手伝いする無料ウェブサービスKudos

多くの時間と労力を注ぎ込んでようやく出版された論文を、少しでも多くの人に読んでほしい、また引用してもらいたいと思うのは、研究者に共通する気持ちでしょう。そのために、例えば研究室のホームページで内容を紹介したり、TwitterなどのSNSを使って情報発信するなどの手段を採る研究者も増えています。

そうした中で、自分の論文についての情報を発信し、またその効果を知るための手助けをしてくれる無料のウェブサービスが、今回ご紹介する Kudos (キュードスまたはクードス)です。Wileyをはじめ、広範な出版社のジャーナルに掲載された論文で利用できます。

kudos

アカウントの登録: Kudosを利用するための最初のステップは、自分のアカウントを作ることです(無料)。トップページ右上の’Join’リンクから名前・メールアドレスなど必要項目を登録すると、確認メールが自動配信されます。確認メール中のリンクをクリックするとアカウントが有効になりますので、メールアドレスとパスワードでサインインして下さい。
kudos1

論文情報の共有: サインインすると、Kudos上で著者名・タイトルワード・DOI(電子文献のID)をキーにして自分の論文を探せます。論文情報に付いているCLAIMボタンをクリックすると、自分の論文として登録され、その論文情報を掲載したPublication Profile Pageにアクセスできるようになります。このページでは、広範な読者に論文の主題や重要性が伝わるように、平易な言葉で説明を書き込んだり、関連情報へのリンクを追加することができます。またこのページは、メールやTwitter, Facebookなどで簡単にリンクを共有できます。独力でウェブページを編集したり、Facebookに記事を書き込む手間が省けます。

論文のインパクト評価: さらに、登録した自分の論文は、Kudos上のAuthor Dashboardに一覧表示されます。そこでは、各論文のPublication Profile Pageへのリンクのシェア回数やページの閲覧回数に加えて、出版社サイトでのダウンロード回数(本文が何回読まれたか)、論文のネット上でのインパクトを示すAltmetricスコア、Web of Scienceでカウントされた被引用回数などの数値指標を一目で見ることができます。出版社サイトでのダウンロード回数が分かるのは、WileyをはじめKudosにデータを提供している出版社のジャーナルの掲載論文に限られますが、Kudos以外では見ることのできない貴重なデータです。「自分の論文が○回読まれた」と分かると励みになるのではないでしょうか。
kudos2

Kudosがどんなものか、そこで何ができるかイメージできたでしょうか。研究者なら誰でも無料で利用できるサービスですので、まずはアカウントを作って、お気軽に試してみて下さい。

カテゴリー: 一般 | タグ: | コメントは受け付けていません。

ChemMedChem誌の創刊10周年記念クイズ第2弾 / この化合物、分かりますか?

ChemMedChem 10th anniversary今年2016年に創刊から十周年を迎えたWiley-VCHの医薬品化学専門誌 ChemMedChem は、創刊十周年記念ページを開設し、医薬品化学・創薬プロセスに関するすぐれたエッセイと総説を2016年12月末まで無料公開中です。

さらに、先月既報の通り、同誌は化学ニュースサイト Chemistry Views 上で、医薬品化学にちなんだクイズキャンペーンを実施中です。クイズは11月・12月にそれぞれ1問ずつ公開され、ヒントから化合物名を当てていただきます。各月の正解者の中から抽選で2名様に、Molecules that Changed the World (by K. C. Nicolaou and Tasyn Montagnon)をプレゼントします。

Molecules That Changed the World2回目となる12月の問題は、下のリンク先でご覧いただけます。ヒントが分かりやすいので、正解を見つけるのにあまり苦労しないでしょう。答が分かった方は、記載のご応募方法に従い、2016年12月15日(木)までに回答をメールでお送り下さい。

カテゴリー: キャンペーン, ジャーナル | コメントは受け付けていません。

<論文紹介> スマホに地震計の機能を持たせるAndroidアプリ MyShake / 6か月間で20万ダウンロード、世界各国の地震波データを観測システムに送信

米カリフォルニア大学のバークレー地震研究所 (UC Berkeley Seismological Laboratory) は、スマートフォンの加速度センサーで検知した地震波のデータを観測システムに送信するAndroidアプリ MyShake を開発しました。この MyShake は、2016年2月にGoogle Playストアで公開された後 6か月間で20万回近くダウンロードされ、その間に日本を含む世界各地で発生した237回の地震を観測しています。その詳細がAmerican Geophysical Union(AGU, アメリカ地球物理学連合)の公式誌 Geophysical Research Letters で報告されました。

Geophysical Research Letters

MyShakeをインストールしたスマートフォンでは、加速度センサーが揺れを検知すると、MyShakeが揺れの波形を分析して、人の持ち歩きなどによる振動と地震波とを区別します。地震波と確認されれば、そのデータは位置情報とともに地震観測システムに送信されます。平均的な日であれば、8千~1万台のスマートフォンからデータが送られるそうです。

MyShakeは、地震が稀な地域など、地震計の設置が十分でない場所で発生した地震のデータ収集に、特に力を発揮すると期待されます。近年、「科学への市民参加」をめざすさまざまな活動が注目されていますが、MyShakeもその一翼を担っているといえそうです。MyShakeは
Google Playストアからダウンロードして無料で利用できますので、興味のある方はぜひお試し下さい。(Android版のみ)

現時点でMyShakeに地震警報の機能はありませんが、地震発生時最初に到達するP波を検知して警報を発することは、原理的に可能です。開発者らは、アプリの価値を高めてさらに普及を図るため、地震警報機能の追加に向けて準備を進めているとのことです。

カテゴリー: 論文 | コメントは受け付けていません。

Wileyジャーナル500誌以上で論文投稿時にORCID iDの記入を必須化

Wileyは11月28日、500誌以上のジャーナルへの論文投稿時に、研究者の識別のために世界的に広く利用されるIDナンバー ORCID iD の記入を必須化することを発表しました。今冬より開始の予定です。

対象となるジャーナルでは、Submitting Author(投稿著者)は論文投稿・査読システム ScholarOne Manuscripts 上で、著者情報とともに ORCID iD を記入することが必須となります。投稿著者以外の共著者については、ORCID iD の記入は従来通り任意のままです。

ORCID iDは、学術コミュニティの関係者20機関によって創立された非営利団体 ORCID Inc. によって管理・運営されており、Wileyもその創立メンバーのひとつです。ORCID iD の利用によって、同姓同名の著者の存在や所属機関の異動、結婚による改姓などによる混乱を避けて、研究者一人ひとりの業績を正確に把握することが可能になります。ORCID iD の取得方法や利用法についての詳細は、下の関連記事をご参照下さい。(記事中では「ORCID」と表記)

カテゴリー: ジャーナル, 一般 | コメントは受け付けていません。

2016年10月のワイリー理工書ベストセラーはこちら!

日本で10月に最もよく売れたWiley(Wiley-Blackwell, Wiley-VCHを含む)の理工書トップ5をご紹介します。タイトルまたは表紙画像をクリックすると、目次やサンプル章(Read an Excerpt)など、詳しい内容をご覧いただけます。

Lewis Base Catalysis in Organic Synthesis, 3 Volume Set1位 Lewis Base Catalysis in Organic Synthesis, 3 Volume Set
 Edited by Edwin Vedejs, Scott E. Denmark
 ISBN: 978-3-527-33618-0
 Hardcover / 1488 pages (in 3 volumes) / September 2016

全3巻構成の本書は、近年多くの化学者が関心を寄せるようになり、ホットな研究領域として急速に拡大している「ルイス塩基触媒」に関する最新知識をまとめた初めての包括的な参考書です。

  • 電子対ドナーを用いた化学反応の促進に関する研究と、ルイスの理論に基づく構造・結合・反応性の概念の発展を歴史的に振り返る
  • ルイス塩基触媒の基礎をなす原理を提示するとともに、その視点から多様な反応タイプについて解説
  • 各国の専門家によって寄稿された高水準の各章を、当分野をリードする化学者であるEdwin Vedejs, Scott E. Denmark両教授が編者としてまとめる
  • 反応タイプ、熱力学的・速度論的原理、化学反応機構をはじめ関連する主題をもれなく網羅

Extremes and Recurrence in Dynamical Systems2位 Extremes and Recurrence in Dynamical Systems
 Valerio Lucarini, et al.
 ISBN: 978-1-118-63219-2
 Hardcover / 312 pages / April 2016

統計学上重要な極値理論と、自然科学・社会科学における動的システム解析へのその応用を論じます。

Statistical Shape Analysis3位 Statistical Shape Analysis: With Applications in R, 2nd Edition
 Ian L. Dryden, Kanti V. Mardia
 ISBN: 978-0-470-69962-1
 Hardcover / 496 pages / July 2016

同じ著者による1998年の初版に、近年の新展開を取り入れた待望の改訂版。形状解析に統計的手法を適用するさまざまなテクニックを紹介し、それぞれの長短所を論じます。

Handbook of Reagents for Organic Synthesis: Reagents for Organocatalysis4位 Handbook of Reagents for Organic Synthesis: Reagents for Organocatalysis
 Edited by Tomislav Rovis
 ISBN: 978-1-119-06100-7
 Hardcover / 816 pages / August 2016

Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis の電子版 (e-EROS) に収録された約5千種の有機合成試薬の中から、有機分子触媒反応に用いられる主要な試薬126種に関する記事を抜粋したのが本書です。環境への負荷を減らすと期待される有機分子触媒反応のための試薬に関する情報が得られます。

Oxidative Cross-Coupling Reactions5位 Oxidative Cross-Coupling Reactions
 Aiwen Lei, Wei Shi, Chao Liu, Wei Liu, Hua Zhang, Chuan He
 ISBN: 978-3-527-33688-3
 Hardcover / 240 pages / September 2016

近年研究が活発化している酸化的クロスカップリング反応に関する初めての包括的な参考書です。酸化的カップリングを用いたC-C/C-X結合生成反応およびC-H結合活性化反応における最近の新展開をまとめています。


ご注文は最寄りの書店・ネット書店で承ります。

カテゴリー: 書籍 | タグ: | コメントは受け付けていません。

ChemMedChem誌が創刊10周年記念クイズ / この化合物、分かりますか?

ChemMedChem 10th anniversaryWiley-VCHの医薬品化学専門誌 ChemMedChem は今年2016年、創刊から十周年を迎えました。(前身はイタリア化学会の Il Farmaco 誌) 同誌の創刊十周年記念ページでは、医薬品化学・創薬プロセスに関するすぐれたエッセイと総説を2016年12月末まで無料公開中です。

さらに、この記念イヤーの終わりにあたり、同誌は化学ニュースサイト Chemistry Views 上で、医薬品化学にちなんだクイズキャンペーンを開始しました。クイズは11月・12月にそれぞれ1問ずつ公開され、ヒントから化合物名を当てていただきます。各月の正解者の中から抽選で2名様に、Molecules that Changed the World (by K. C. Nicolaou and Tasyn Montagnon)をプレゼントします。

Molecules That Changed the World11月の問題は、下のリンク先でご覧いただけます。有名な化合物なので、一目でピンとくる人が多いのでは? 答が分かった方は、記載のご応募方法に従い、2016年12月1日(木)までに回答をメールでお送り下さい。

カテゴリー: キャンペーン, ジャーナル | コメントは受け付けていません。

<記事紹介> 会議論文をジャーナル論文に書き直すのは二重投稿? 倫理違反にならないためのポイントは

Credit - Pepsco Studio/Shutterstock

Credit – Pepsco Studio/Shutterstock

同じ内容の論文を別のジャーナルに同時に、または期間を置いて投稿・掲載する行為は、二重投稿(二重出版)として出版倫理違反にあたることは、ご存知の方が多いと思います。それに対して、学会で発表して会議録に掲載された会議論文 (conference paper) の内容を、後日ジャーナルに投稿するのはどうでしょうか。これも、一定の要件を満たさない場合は二重投稿と判断され、出版後に発覚すると論文の撤回や、不正行為として所属機関からの処分につながるリスクがあるので要注意です。それでは、二重投稿にならないための要件とはどういうものでしょうか?

この問題を、ソフトウェア工学のジャーナル Software Testing, Verification and Reliability (STVR) の共同編集長 Jeff Offutt教授(米ジョージ・メイソン大学)が、同誌のEditorialで2回にわたって取り上げています。厳密にはジャーナルによって方針が異なる可能性があるため、投稿先ジャーナルの投稿規定を確認する必要がありますが、一般的な考え方を理解するのに役立つ記事としてご紹介します。

 記事を読む  
Software Testing, Verification and Reliability

  1. Offutt, J. (2016) Editorial: STVR policy on extending conference papers to journal submissions. Softw. Test. Verif. Reliab., 26: 274–275. doi: 10.1002/stvr.1606. icon_free(無料公開)
  2. Offutt, J. (2016) Editorial: How to extend a conference paper to a journal paper. Softw. Test. Verif. Reliab., 26: 496–497. doi: 10.1002/stvr.1623. icon_free(無料公開)

1番目の記事によると、会議論文をまったく同じ内容のままでジャーナルに投稿するのは不可で、新規な内容を追加し拡張する必要があります。その際に一般的に言われるのが『30%ルール』で、エディターや査読者の目から見て、元の論文に対して少なくとも30%の新規な内容が加わっているというのが、二重投稿にならないための判断基準です。

30%ルールを満たす場合でも、ジャーナルに投稿する論文では

  • 元の会議論文をレファレンスに含める
  • (通常はIntroductionで)会議論文の内容を論じた上で、今回の論文の新規な点を要約する

ことが要件になります。

Offutt教授によると、元の会議論文の引用を漏らしただけで即リジェクトとはなりませんが、通常はMajor Revisionと判定されます。元の論文が引用されていないと、今回の論文に十分な新規性があるかどうか査読者が判断できないためです。また会議論文の情報をレファレンスではなくカバーレターに載せるのは、査読者への伝達漏れを招きかねない上に読者に情報が伝わらないため、Offutt教授のSTVR誌では認めないとしています。

2番目の記事でOffutt教授は、新しい論文には新規な理論や着想、実験結果を追加し内容を拡張するだけでなく、読者の混乱を避けるために、新しいタイトルを付けてアブストラクトも書き直すよう推奨しています。さらに、査読者に新規な内容が乏しいとの印象を与えないようIntroductionも最初から書き直すこと、関連する先行研究の引用を増やすこと、文章を徹底的に見直してリライトすることも勧めています。

原記事ではより詳しく解説されていますので、上のリンク先からぜひお読み下さい。

カテゴリー: 一般 | タグ: | コメントは受け付けていません。