AGU(アメリカ地球物理学連合)の出版論文から見た、影響力の高い日本の研究者と研究機関は?

American Geophysical Union(AGU, アメリカ地球物理学連合)の出版部門AGU Publicationsは、2009~2015年にAGUのジャーナルで出版された論文数と被引用数を基に、地球惑星科学の分野で特に影響力の高い日本の研究者と研究機関を選びました。そのリストの一部は、こちらのページで公開されています。

今回選ばれたトップ研究者・研究機関の完全なリストを見るには、リンク先ページでお名前とメールアドレスを登録して下さい。それらの研究者による注目論文もお読みいただけます。icon_free(2016年6月30日まで無料公開)

agu

カテゴリー: 論文 | タグ: | コメントは受け付けていません。

<新刊紹介> The Science of Cooking / 食品と調理を通じて化学・生物学を教えるユニークな教科書

The Science of CookingThe Science of Cooking
 Joseph J. Provost, Keri L. Colabroy, Brenda S. Kelly, Mark A. Wallert
 ISBN 978-1-118-67420-8
 Paperback / 544 pages / May 2016
 US$ 69.95

本書は、化学を専攻しない学部生に、身近な食品と調理を題材にして化学・生物学の基礎を教えることをめざして書かれた新しいタイプの教科書です。タンパク質・糖・油脂など食品を理解する上で必要な化学的基礎を扱う第1章>The Science of Food and Cooking: Macromoleculesに続く各章は、味覚・嗅覚のメカニズムや乳製品・果物・肉・パンといった主題を取り上げ、それぞれについて化学的・生物学的原理を詳細に解説します。科学的な説明に挿入する形で、食品に関する豊富な歴史的エピソードや、自分が平均的な人より味覚が敏感な「スーパーテイスター」かどうかを確かめる方法、固ゆで卵の黄身の表面が黄緑色になる理由など親しみやすいトピックを盛り込み、学生を飽きさせない工夫を凝らしています。

さらに、本書の購入者がアクセスできる専用ウェブサイトでは、学生がグループを組んで行える30種類以上の実験も紹介しています。化学結合、タンパク質の構造や、肉・野菜・チョコレートなど食品に関する主題に関わるこれらの実験は、わずかな費用しかかからず、安全面にも配慮されています。学生を引き付けるような化学の講義・授業を考えるための参考書として、また食品・調理と科学についてのエピソードを知る種本としておすすめします。

 本書の目次 

* さらに詳しい目次を見るには、右上の表紙画像または書名をクリックして下さい

  1. The Science of Food and Cooking: Macromolecules (試読用にPDFを無料公開中)
  2. The Science of Taste and Smell
  3. Milk and Ice Cream
  4. Metabolism of Food: Microorganisms and Beyond
  5. Cheese, Yogurt, and Sour Cream
  6. Browning
  7. Fruits and Vegetables
  8. Meat and Fish
  9. Eggs, Custards, and Foams
  10. Bread, Cakes, and Pastry
  11. Seasonings: Salt, Spices, Herbs, and Hot Peppers
  12. Beer and Wine
  13. Sweets: Chocolates and Candies
カテゴリー: 書籍 | コメントは受け付けていません。

ワイリー生物医学賞を受賞した東工大・大隅 良典特任教授の授賞式と記念講演の動画をウェブ公開

Credit - pictafolio/iStockphoto

Credit – pictafolio/iStockphoto

Wiley Prize in Biomedical Sciences (ワイリー生物医学賞)を受賞した東京工業大学 フロンティア研究機構の大隅 良典特任教授(総合研究大学院大学 名誉教授、基礎生物学研究所 名誉教授、東京工業大学 栄誉教授)は4月8日、米ロックフェラー大学で開催された授賞式に出席するとともに、受賞記念講演を行いました。この模様を収録した動画が、このほどウェブで公開されました。簡単な申し込み手続きにより、無料で視聴いただけます。

 ⇒ 視聴申し込みはこちらから
* (以前に視聴申し込みをお済ませの方は、Current Protocols Webinarsから届いたメール中のリンクよりアクセスできます)

2002年に始まったワイリー生物医学賞は、出版社John Wiley & Sons社 (Wiley)が運営し科学振興を目的とする財団 The Wiley Foundation (ワイリー財団)によって、生物医学の研究において顕著な貢献を果たした研究者に毎年贈られています。大隅特任教授は、細胞が内部のタンパク質を自ら分解し再利用する「オートファジー(自食)」のメカニズムを発見したことが今回の受賞理由となりました。日本人研究者がワイリー生物医学賞を受賞したのは、2005年の京都大学・森 和俊教授に続いて大隅教授が二人目です。

カテゴリー: 一般 | コメントは受け付けていません。

2016年4月のワイリー理工書ベストセラーはこちら!

日本で4月に最もよく売れたWiley(Wiley-Blackwell, Wiley-VCHを含む)の理工書トップ5をご紹介します。タイトルまたは表紙画像をクリックすると、目次やサンプル章(Read an Excerpt)など、詳しい内容をご覧いただけます。

Time Series Analysis1位 Time Series Analysis
 Wilfredo Palma
 ISBN: 978-1-118-63432-5
 Hardcover / 616 pages / March 2016

時間の経過に伴って変化するデータの分析手法である時系列分析の最新の入門的教科書。ARMA, ARIMAといった代表的なモデルによる単変量解析に主眼を置き、伝統のある有益な手法から最近の新しいテクニックまで幅広く取り上げています。学習を支援する章末問題や参考文献などを収録、また本の購入者がアクセスできる専用ウェブサイトでは補足的なファイルやプログラムコードを提供しています。

Soil Chemistry, 4th Edition2位 Soil Chemistry, 4th Edition
 Daniel G. Strawn, Hinrich L. Bohn, George A. O’Connor
 ISBN: 978-1-118-62923-9
 Paperback / 392 pages / April 2015

定評の高い土壌化学の教科書を14年ぶりに大幅改訂。養分利用効率・鉱物風化・土壌汚染・土壌酸性化など農芸化学と環境土壌化学の主題をバランスよく取り上げるとともに、図版を刷新しました。ケーススタディなど、学習支援のための項目も充実しています。

Organometallic Chemistry of the Transition Metals3位 The Organometallic Chemistry of the Transition Metals, 6th Edition
 Robert H. Crabtree
 ISBN: 978-1-118-13807-6
 Hardcover / 520 pages / April 2014

イェール大学のロバート・クラブトリー (Robert H. Crabtree) 教授による、遷移金属の有機金属化学に関する代表的な教科書の5年ぶりの改訂版。詳しい内容はこちらの記事をご覧下さい。

Organic Redox Systems: Synthesis, Properties, and Applications4位 Organic Redox Systems: Synthesis, Properties, and Applications
 Edited by Tohru Nishinaga
 ISBN: 978-1-118-85874-5
 Hardcover / 616 pages / December 2015

首都大学東京・西長 亨准教授を編者に迎えて出版された本書は、トランジスタ・太陽電池・バッテリーなどの有機電子材料の合成のために酸化還元系(レドックスシステム)を開発・応用する手法を論じます。結合の形成と開裂、超分子系、分子設計などの主題を、特に遷移金属フリーの酸化還元系に重点を置いて解説し、有機電子材料の研究に関わる産学両界の読者に有益な一冊となっています。

Automotive Handbook, 9th Edition5位 Automotive Handbook, 9th Edition
 Robert Bosch GmbH
 ISBN: 978-1-119-03294-6
 Hardcover / 1544 pages / January 2015

多くの国で翻訳出版され広く利用されている、自動車工学の定番参考書。「ボッシュ自動車ハンドブック」として刊行されている日本語版の最新第3版は、本書の1つ前の版にあたる第8版(2011年)を邦訳したものです。この第9版は旧版を4年ぶりに改訂したもので、技術の新展開を踏まえた最新情報を収録しています。


ご注文は最寄りの書店・ネット書店で承ります。

カテゴリー: 書籍 | コメントは受け付けていません。

自分の論文の読者と引用を増やすための戦略 / 5月19日に無料ウェビナーを開催(英語)

Wileyは来る5月19日(木)、研究者が自分の論文を多くの読者に読んでもらい、また引用されるようにするための戦略を紹介するウェビナー(オンラインセミナー)を開催します。このウェビナーでは、Wileyをはじめいくつかの出版社のジャーナルで採用されている、各論文のネット上での影響力を示す数値指標 Altmetric(オルトメトリック) とその高め方も解説します。

 開催要項 

開催日:  2016年5月19日(木)
時間:   日本時間 15:00開始 / 約1時間を予定

講師と演題:

Rose Williams Natalia Madjarevic
Rose Williams
(Senior Journal Publishing Manager, Research Australia and New Zealand, Wiley)
Improving article citation & discoverability
Natalia Madjarevic
(Senior Implementations and Support Manager, Altmetric)
Altmetric & Its Impact on My Paper
  • 自分の論文を読者に発見されやすくするためのコツ
  • 発見しやすさを高めるベスト・プラクティス
  • Wileyが提供する著者支援ツール
  • Altmetric scoreを高めるための方法
  • 数値指標を使ってストーリーを語る
  • Altmetricの実用的な使い方

※ 両講演とも英語で行われます

 ご参加方法 

当ウェビナーには無料でご参加いただけます。次のリンク先からオンラインでお申込み下さい。
  → ウェビナー参加を申し込む

カテゴリー: 展示会・イベント | タグ: | コメントは受け付けていません。

Advanced Synthesis & Catalysis誌が「金触媒」特集号を発行

Advanced Synthesis & Catalysis触媒化学の専門誌Advanced Synthesis & Catalysisは、2016年4月28日号(Volume 358, Issue 9)を、Gold Catalysis – Quo Vadis? (金触媒はどこへ向かう?)と題した特集号として発行しました。同号の共同客員編集長を務めたAntonio M. Echavarren(スペイン・カタルーニャ化学研究所(ICIQ))、A. Stephen K. Hashmi(独ハイデルベルク大学)、F. Dean Toste(カリフォルニア大学バークレー校)の3人は、いずれも金触媒研究を代表する世界的な化学者です。

 同号の収録内容を読む 

金触媒は過去数十年にわたってホットな研究分野であり続け、現在も衰えることなく新しい研究成果を生み出しています。本号は炭酸塩およびエステルを用いたジイン基質の金触媒反応、金触媒によるアルキンのN-およびO-官能基化反応をそれぞれテーマとする総説に加えて、金触媒の化学の多様な広がりを伝える原著論文を収載しています。

カテゴリー: ジャーナル, 論文 | コメントは受け付けていません。

東北大・佐々木 誠教授、不破 春彦准教授らの論文がChem. Eur. J.の表紙に / 海産天然物リングビアロシドBの全合成と立体構造決定 (Hot Paper)

Chemistry - A European Journal東北大学大学院生命科学研究科・佐々木 誠教授、不破 春彦准教授らによる論文が、Chemistry – A European Journalの最新号(Volume 22, Issue 20: May 10, 2016)に掲載され、同誌の注目論文Hot Paperに選ばれるとともに、掲載号の表紙(右図)を飾りました。また同号には”Cover Profile”として著者らがインタビューに答え、今回の表紙デザインの狙いや、研究の過程で直面した困難、今後の研究課題を語っています。

佐々木教授、不破准教授らは、2014年にAngewandte Chemie International EditionにCommunication(短報)として発表した論文で、海産シアノバクテリアLyngbya種から単離された二次代謝産物(–)-Lyngbyaloside B(リングビアロシドB)の初の全合成を達成すると同時に、それまで提案されていた立体構造を訂正し、完全に決定したことを報告しました。今回の論文(Full Article)は、2014年の論文で示された全合成の工程と構造研究の詳細を報告するものとなっています。

■ Chemistry – A European Journalでは、エディターが特に重要性を認めた論文を Hot Paperに選んでいます。
 ⇒ 最近 Hot Paper に選ばれた論文

カテゴリー: 論文 | タグ: | コメントは受け付けていません。

日本地球惑星科学連合が2016年大会で論文投稿ワークショップ / 講師は日本地質学会Island Arc誌Editor-in-Chief 武藤 鉄司教授(5月23日・月 / 協力:ワイリー)

islandarc_cover5月22日(日)から始まる日本地球惑星科学連合2016年大会の会期中に、同連合は大会参加者を対象として論文投稿ワークショップ『論文構成法を理解しよう』を開催します。同連合の団体会員のひとつ日本地質学会の公式英文誌Island Arcを出版するWileyは、このワークショップの開催に協力しています。多くの皆さまのご参加をお待ちしています。

  • 日時: 2016年5月23日(月)12:30〜13:30
  • 会場: 幕張メッセ国際会議場(日本地球惑星科学連合2016年大会内)1階・103
  • 主催: 日本地球惑星科学連合 (協力:ワイリー)
  • 参加方法: 専用サイト bit.ly/JpGUworkshop2016 から申し込み下さい
  • 参加費は無料です。
  • 先着50名様限定で、簡単な昼食をご用意します。ご希望の方は、上記サイトからの参加お申し込み時に、「昼食を希望する」を選んで下さい。

講師は、日本地質学会の公式英文誌Island ArcのEditor-in-Chief(編集委員長)を務める長崎大学環境科学部・武藤 鉄司教授です。武藤教授には、論文の質を高め、スムーズに採択・出版されるようになるための論文構成上のポイントについてアドバイスをいただきます。併せてIsland Arc誌の出版社であるワイリーのスタッフが、出版された論文を多くの読者に読んでもらうために著者自身ができることをご紹介します。(日本語での講演となります)

カテゴリー: 展示会・イベント | コメントは受け付けていません。

Chemistry – An Asian Journalから「エネルギー変換・貯蔵の化学」特集号

Chemistry – An Asian JournalChemistry – An Asian Journalの2016年4月20日号(Volume 11, Issue 8)は、The Chemistry of Energy Conversion and Storage (エネルギー変換・貯蔵の化学)をテーマとする特集号として発行されました。

 同号の収録内容を読む 

化石燃料への依存からの脱却が世界的な課題となる中、太陽光などの再生可能エネルギーを効率的に活用する上で、エネルギーの変換・貯蔵技術の進歩に大きな期待がかかっています。今回の特集号では、そのような社会的要請に応えるような化学研究の成果を報告する原著論文および総説を、世界各国の有力な研究者から集めています。具体的には、リチウムイオン電池などの二次電池、ペロブスカイト型や色素増感型などの太陽電池、高分子とグラフェンのハイブリッド材料、光触媒による水素製造などの主題が取り上げられます。

カテゴリー: ジャーナル, 論文 | コメントは受け付けていません。

<論文紹介> 「光に当てると汚れが落ちる服」の実現に一歩近づく? コットン生地の表面に固定化した銀・銅ナノ粒子の光触媒活性

オーストラリア・RMIT大学のVipul Bansal教授、Rajesh Ramanathan博士らのグループがAdvanced Materials Interfaces誌で1月に発表した論文が、『光に当てるだけで勝手にキレイになる布』などとして多くのネットニュースで取り上げられています。着終わった服やケチャップのしみが付いた服が、洗濯しなくても明るいところにぶら下げておくだけで汚れが落ちるようになれば願ってもない話ですが、一体どのような研究なのでしょうか?

Advanced Materials Interfaces

Credit - Max Bukovski/Shutterstock

Credit – Max Bukovski/Shutterstock

銀・銅のナノ粒子は、可視光の吸収性が高く、また金・パラジウムなどよりも安価なことから、光触媒としての可能性が期待されています。今回の論文で同グループは、コットン生地を硝酸銀・硫酸銅などを含む数種類の溶液に漬けこむだけで、表面を銀または銅のナノ粒子でコーティングする簡便なナノ構造形成法を報告しました。

この方法でコーティングした布地に可視光を照射したところ、「局在表面プラズモン共鳴 (LSPR)」と呼ばれる現象によって電子移動が起こり、触媒活性を高めることが確認されました。フェロシアニドからフェリシアニドへの還元反応速度を調べた実験では、銀・銅とも、ホイル状よりもコットン生地にコーティングした方が、また暗所よりも可視光を照射した方が反応が促進されることが分かりました。また、銅のほうが銀よりも高い触媒能を示しますが、酸化しやすい銅ナノ粒子は繰り返し使用することで性能の低下が起こり、安定性・再利用性においては銀の方がすぐれていることも明らかになりました。

上に引用したRMIT大学のプレスリリースは、この方法で加工された布地が「光を当てるだけで汚れを分解する」性質をもつことを前面に出していますが、その中で著者のRamanathan博士が語っているように、より実生活での汚れに近い有機化合物の分解能については今後の研究を待つ必要があります。洗濯不要の衣服の実現までには道のりが遠そうですが、今後の発展に夢が持てる研究であることは間違いありません。

カテゴリー: 論文 | コメントは受け付けていません。