会話ボットがチューリング・テストで競う「ローブナー賞」のチューリング年記念大会が開催(Significance Magazineから)

今年2012年は、イギリスの数学者・論理学者で「人工知能の父」とも呼ばれるアラン・チューリング(Alan Turing, 1912-1954)の生誕百周年にあたることから、”Alan Turing year”として彼の業績を顕彰する行事が各地で行われています。

チューリングは、コンピュータが人工知能としての知性を備えているかどうかを判定するための「チューリング・テスト」を提唱したことでも知られています。これは、コンピュータがキーボードと画面を通して人間(判定者)と「会話」を行い、会話の相手がコンピュータだと判定者に見抜かれなければテストに合格したとみなすものです。

このチューリングテストを会話シミュレーションプログラム(会話ボット)で実際に試し、プログラムの性能を競うローブナー賞(Loebner Prize)大会が、5月15日に開催されました。この大会は1991年から毎年開かれていますが、今年はチューリング年の記念大会として、イギリスのBletchley Parkが会場に選ばれました。ここは、第二次大戦中にチューリングがドイツ軍のEnigma暗号の解読に従事した英軍施設の所在地で、現在は博物館となっています。

大会では4つのプログラムが決勝を競いましたが、第1位に選ばれ銅メダルと賞金5千ドルを獲得した”Chip Vivant”でさえも、会話した4人の審査員全員からコンピュータと見抜かれてしまいました。将来、審査員全員を完全にだますことに成功し、人間と区別がつかないと判定されたプログラムには、金または銀メダルが贈られることになっています。過去の大会では、人工的にタイプミスを折り混ぜることで、「コンピュータがタイプミスを犯すはずがない」と思い込んだ一部の審査員をだましたプログラムもあったそうです。

このローブナー賞大会については、英国王立統計学会とWiley-BlackwellによるウェブマガジンSignificance Magazineが詳しく伝えています。
 ⇒ Significance Magazine: Turing test – the Loebner Prize

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高分子学会年次大会・ワイリーのブースでは関連書籍多数を揃え特価販売!

ワイリーは、来る第61回高分子学会年次大会でブース出展します。
(2012年 5月29日(火) ~ 31日(木)・パシフィコ横浜)

当日は、高分子関連の書籍を多数ご用意し、学会特価で販売します。
特にご注目いただきたいのは、全5巻の大著「ワイリー複合材料事典」 Wiley Encyclopedia of Composites 第2版です。刊行されたばかりのこの事典を、実際に手に取ってご覧いただけます。
★ 同事典について詳しくは、こちらの記事をご覧下さい。
 ⇒ 新刊「ワイリー複合材料事典」 Wiley Encyclopedia of Composites 第2版(全5巻)

ほかに、ジャーナルの無料サンプル号やWileyグッズもご用意してお待ちしています。ぜひお立ち寄り下さい。

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好評にお応えして4点を追加! 理工洋書専門オーヴィス・ウェブショップのWiley書籍特価セール

大阪の理工系洋書専門店オーヴィスさんのウェブショップで、Wileyの書籍4点が新たに特価セールの対象となりました。前回当ブログでご案内したセールが好評につき、第二弾の実施となります。

オーヴィスさんは大阪の書店ですが、全国どこでも送料無料、さらに今回セール対象の本をお買い上げの方は、特別プレゼントとしてWileyグッズがもらえます。ご購入を考えていた本がセール対象になっていないか、ぜひお確かめ下さい。特価の適用は在庫限りです!

※ ご注文方法の詳細は、リンク先のオーヴィス・ウェブショップでご確認下さい。

セール対象になったWiley書籍(書名をクリックするとオーヴィス・ウェブショップの商品ページにリンクします)
* 表示の販売価格・通常価格はオーヴィス・ウェブショップによる設定価格です。

Fundamentals of Ionized Gases
 Boris M. Smirnov
 ISBN: 978-3-527-41085-9
 Hardcover / 488 pages / November 2011
販売価格(税込): 10,500 円 通常価格: 17,186円

Organo Main Group Chemistry
 Kin-ya Akiba 著者が語るWiley新刊 – 第1回 秋葉 欣哉先生 “Organo Main Group Chemistry”
 ISBN: 978-0-470-45033-8
 Softcover / 288 pages / August 2011
販売価格(税込): 4,950円 通常価格: 6,980円

Modeling of Molecular Properties
 Peter Comba (Editor)
 ISBN: 978-3-527-33021-8
 Hardcover / 510 pages / November 2011
販売価格(税込): 10,500円 通常価格: 14,550円

Catalytic Methods in Asymmetric Synthesis
 Michelangelo Gruttadauria & Francesco Giacalone (Eds)
 ISBN: 978-0-470-64136-1
 Hardcover / 702 pages / November 2011
販売価格(税込): 9,980円 通常価格: 16,591円

☆ これらのほか、特価セール対象として前回ご紹介した本で、在庫が残っているものは引き続き特価でご購入いただけます。 ⇒ 特価セール対象の全点

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<論文紹介> 有機系太陽電池のための高分子材料設計(Macromol. Rapid Commun.・レビュー論文)

代替エネルギー源として期待が集まる太陽電池ですが、現在主流となっているのは結晶シリコンを材料とするものです。一方、有機化合物を用いる太陽電池は、変換効率や耐久性の面で課題を残していますが、コストの大幅な引き下げが可能と考えられ、次世代の太陽電池の有力候補として研究開発が活発に進められています。Web of Scienceで”organic solar cells”を検索すると8千報以上の論文がヒットし、特に近年は論文の増加に拍車がかかっているそうです。

有機系太陽電池の中でも、高分子とフラーレンをベースにしたバルクへテロ接合型(bulk heterojunction = BHJ)太陽電池が特に有力視されています。ノースカロライナ大学チャペルヒル校のWei You助教授らは、このほどMacromolecular Rapid Communications誌に発表した総説論文で、このBHJ型太陽電池のための新しい高分子材料の設計にスポットを当て、最新の研究動向と課題・展望を論じています。

この論文は、Early Viewとしてオンラインで先行公開されています。(本文を読むにはアクセス権が必要です)
 ⇒ Uy, R. L., Price, S. C. and You, W. (2012), Structure-Property Optimizations in Donor Polymers via Electronics, Substituents, and Side Chains Toward High Efficiency Solar Cells. Macromol. Rapid Commun.. doi: 10.1002/marc.201200129

また、この論文については材料科学のニュースサイトMaterials Viewsでも紹介されています。
 ⇒ Materials Views – How to Enhance the Efficiency of Polymer Solar Cells

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ナノ材料研究者は注目! Eur. J. Inorg. Chem.から「先進無機ナノ複合材料」特集号

European Journal of Inorganic Chemistryの6月号は、“Trends in Advanced Complex Inorganic Nanomaterials”をテーマにした特集号です。表紙を飾るのは、東京大学大学院理学系研究科・大越 慎一教授ほかによる論文です。(右の画像)
 ⇒ European Journal of Inorganic Chemistry – Special Issue: Trends in Advanced Complex Inorganic Nanomaterials (Cluster Issue)

この特集号は、2011年9月にベルギーの都市ナミュールで開催された国際会議「International Symposium on Advanced Complex Inorganic Nanomaterials (ACIN2011)」をベースとし、特に選ばれた会議参加者から寄稿された論文を収載しています。同分野の研究の最新動向をバランスよく伝える特集号として、ナノ材料研究者には見逃せません。

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Advance Materials誌の週間ダウンロード数第1位は、2週連続でこの論文

Advanced Materials誌は、先週に引き続き、過去一週間に多くダウンロードされた論文のトップ40ランキングを発表、本日Wiley-VCHの材料科学ニュースサイトMaterials Viewsに掲載しました。

 ⇒ Materials Views – Advanced Materials Top 40 for May 16, 2012

順位の変動が大きく、初登場の論文が多くを占める中、英エクセター大学のMonica F. Craciun博士らによるグラフェンベースの半導体に関する論文が2週連続で1位を守りました。
 ⇒ Khrapach, I., Withers, F., Bointon, T. H., Polyushkin, D. K., Barnes, W. L., Russo, S. and Craciun, M. F. (2012), Novel Highly Conductive and Transparent Graphene-Based Conductors. Adv. Mater.. doi: 10.1002/adma.201200489

また、ハーバード大学ホワイトサイズ教授のラボによる「紙ベースのタッチパッド」に関する報告が13位に上昇しました。
 ⇒ Mazzeo, A. D., Kalb, W. B., Chan, L., Killian, M. G., Bloch, J.-F., Mazzeo, B. A. and Whitesides, G. M. (2012), Paper-Based, Capacitive Touch Pads. Adv. Mater.. doi: 10.1002/adma.201200137

2004年に掲載された、同教授による「論文執筆法」指南も依然としてよく読まれ、23位にランクインしています。Chem-Stationで読める和訳の原文にあたります。
 ⇒ Whitesides, G. M. (2004), Whitesides’ Group: Writing a Paper. Adv. Mater., 16: 1375–1377. doi: 10.1002/adma.200400767

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<論文紹介> クロロスルホ脂質類の全合成における最近の進歩(Eur. J. Org. Chem.から)

1969年に微小藻類から初めて単離されたクロロスルホ脂質(chlorosulfolipids)は、多くの化学者が興味深い合成ターゲットとして取り組んできましたが、全合成の成功例が報告されるようになったのは、ここ数年になってのことです。さまざまなクロロスルホ脂質類の全合成が成功するにつれて、その化学的性質についての謎も少しずつ解明されてきています。

このほどEuropean Journal of Organic Chemistryに掲載されたレビュー論文で、チューリッヒ工科大学(ETH Zürich)のChristian NilewskiとErick M. Carreiraは、クロロスルホ脂質類の全合成における近年の展開を総括しています。この論文は、Wiley Online Libraryで現在無料公開されており、どなたでもお読みいただけます。
 ⇒ Nilewski, C. and Carreira, E. M. (2012), Recent Advances in the Total Synthesis of Chlorosulfolipids. Eur. J. Org. Chem., 2012: 1685–1698. doi: 10.1002/ejoc.201101525

またこの論文の内容は、化学ニュースサイトChemistry Viewsで紹介されています。
 ⇒ Chemistry Views – Chlorosulfolipids

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Wiley無料メルマガで有機・無機・触媒化学の注目論文を紹介

有機・無機・触媒化学の最新のニュースをお届けするWileyの無料メールマガジンOrganic, Inorganic Chemistry and Catalysis Updateの最新号が発行されました。

European Journal of Organic Chemistry, European Journal of Inorganic Chemistry, Advanced Synthesis & Catalysis, ChemCatChemといったWileyのジャーナルに掲載された最新の注目論文を紹介し、またそれらの論文への無料アクセスを期間限定で提供しています。

同メルマガをご購読でない方も、Wiley Asiaブログからご覧いただけます。
 ⇒ Wiley Asia blog – Organic, Inorganic Chemistry and Catalysis Update: May 2012 Issue

★ Wileyは、この他にも多数の分野で無料メルマガを発行し、ご登録いただいた方に配信しています。下のリンク先でメールアドレスとご希望の分野をご登録して、配信をお申し込み下さい。
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京都大・寺島助教の論文がMacromolecular Rapid Communications「次世代の高分子研究者」特集号に掲載

Macromolecular Rapid Communicationsの最新号(5月14日号)は、Polymer Science: The Next Generationと題して、今後の活躍が特に期待される世界各国の若手研究者たちによる論文を特集しています。

日本からは、京都大学大学院工学研究科・寺島祟矢助教の論文が選ばれました。(本文を読むにはアクセス権が必要です)
 ⇒ Terashima, T., Nomura, A., Ouchi, M. and Sawamoto, M. (2012), Efficient and Robust Star Polymer Catalysts for Living Radical Polymerization: Cooperative Activation in Microgel-Core Reactors. Macromol. Rapid Commun., 33: 833–841. doi: 10.1002/marc.201200045

★ 同特集号の目次はこちらです。
Macromolecular Rapid Communications
Special Issue: Polymer Science: The Next Generation

May 14, 2012 (Volume 33, Issue 9)

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<論文紹介> 近赤外分光イメージングが解き明かす絵画の制作技法 (Angew. Chem. Int. Ed.から)

絵画に使われている絵の具の成分を調べるには、さまざまな分析化学的手法が用いられます。油絵の大作のような場合であれば、ミリグラム単位のごく少量の絵の具を試料として採取すれば、正確な分析ができるそうです。

しかし、作品のサイズが小さかったり、素材が傷みに弱いために絵の具の採取が困難なこともあります。羊皮紙に描かれた中世の彩飾写本などはその典型で、非破壊的に分析する際にも、強い光の照射や湿度・温度の変化を避け、細心の注意を払って扱う必要があります。これまでに無機成分の分析に関しては技術が進歩しましたが、絵の具のバインダー(顔料と混ぜ合わせるつなぎ)のような有機成分の分析には、高価な中赤外顕微鏡や強い光の照射が必要となるなど特に困難が伴ったそうです。

このほどAngewandte Chemie International Editionに掲載された論文で、米ワシントンのナショナル・ギャラリーに勤めるJohn K. Delaneyらの研究チームは、新しい近赤外イメージ分光器を用いて行った中世彩飾写本の分析について報告しています。分析の対象となったのは15世紀にロレンツォ・モナコ (Lorenzo Monaco)によって描かれた彩飾写本の一葉で、装飾的に書かれたEの文字の中に祈りを捧げる預言者の姿が描かれたものです。

Delaneyらは、作品に強い光を当てることなく高解像度でバインダーの成分を分析することに成功しました。その結果、当時の彩飾写本では卵白かアラビアゴムをバインダーとして使うのが一般的でしたが、この作品では、預言者を描いた部分に限って、卵黄とみられる脂肪を含むバインダーが使われていることが分かりました。今後、分析を多くの作品に広げることによって、ロレンツォ・モナコ以外に当時の画家が卵黄をバインダーに使った例があるかといった研究が進むと期待されます。

☆ 化学ニュースサイトChemistry Viewsに論文内容の紹介記事が掲載されています。
 ⇒ Chemistry Views – IR Spectroscopy to Analyze Art Works

☆ 元の論文はEarly Viewとしてオンラインで先行公開されています。(本文を読むにはアクセス権が必要です)
 ⇒ Ricciardi, P., Delaney, J. K., Facini, M., Zeibel, J. G., Picollo, M., Lomax, S. and Loew, M. (2012), Near Infrared Reflectance Imaging Spectroscopy to Map Paint Binders In Situ on Illuminated Manuscripts. Angew. Chem. Int. Ed.. doi: 10.1002/anie.201200840

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