<論文紹介> 「生分解性プラスチック」は水中で分解するか / 実験では種類によって大きな差 (オープンアクセス)

Credit - National Geographic RF/Getty Images

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環境中に残る細かいプラスチック粒子「マイクロプラスチック」が、特に海洋の環境汚染の原因として近年クローズアップされています。それに対して、環境中で自然に分解する生分解性プラスチックの使用が対策になると主張する向きもありますが、賛否両論があるのが現状です。

独バイロイト大学の研究グループは、生分解性プラスチックとして市販されている製品が水中で分解するかどうかを確かめるための実験を行いました。同グループは、PLGA, PCL, PLA, PHB, Ecoflexの5種と、比較のため生分解性ではないPETを実験対象に選び、同条件下で人工海水と淡水のそれぞれに1年間にわたって浸し、分解の度合いを調べました。

その結果、5種の生分解性プラスチックの中でPLGAだけが、1年以内(270日)に完全に分解しました。それ以外では、PHBが1年間で8%未満分解したのを除いては、PETと同様に全くないしほとんど分解しませんでした。また海水中と淡水中とでは、分解速度に目立った違いはありませんでした。生分解性プラスチックと称される素材が等しくマイクロプラスチック問題の解消に役立つわけではないことを実証するものとして注目されます。

この研究結果を報告する論文 “Fate of So-Called Biodegradable Polymers in Seawater and Freshwater” は、環境・エネルギーなど地球規模の課題を学際的に取り上げるオープンアクセス誌 Global Challenges に掲載されました。

Global Challenges 論文  A. R. Bagheri, C. Laforsch, A. Greiner, S. Agarwal, Global Challenges 2017, 1, 1700048. https://doi.org/10.1002/gch2.201700048 icon_open (オープンアクセス)
 紹介記事  How Degradable are Biodegradable Polymers in Water? (August 12, 2017, Materials Views)

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