<論文紹介> 硫黄とリモネンから合成したポリマーが水・土壌中の水銀を吸着 / 低コストの環境浄化技術として期待 (ACIE Hot Paper・オープンアクセス)

Credit - PhotoLink/Getty Images

Credit – PhotoLink/Getty Images

オーストラリア・フリンダース大学(Flinders University)のJustin M. Chalker講師らのグループは、硫黄と柑橘類の皮に含まれるリモネンから合成した多硫化物(ポリスルフィド)と呼ばれるポリマーが、水中や土壌中に含まれる有毒な水銀(II)イオンを効果的に吸着する性質をもつことを発見し、Angewandte Chemie International Edition (ACIE)で報告しました。

硫黄は石油精製の過程で年間7千万トン発生し、一方のリモネンはオレンジ加工などで廃棄される皮から年間7万トン生産されています。ともに供給過剰の状態にあって安価なため、その活用法を見いだせれば大きな意義があります。同グループによると、それらを原料とするポリマーは容易に大量生産が可能で、固形物として成形できるほかパイプの内部などのコーティングにも使うことができます。産業廃棄物を活用し、無機水銀による環境汚染を低コストで浄化できる技術として応用が期待されます。

Angewandte Chemie International Edition

■ この論文は、ACIEの注目論文Hot Paperに選ばれました。ACIEでは、急速な展開によって注目を集めている分野における研究で、編集委員が特に重要性を認めた論文をHot Paperとしています。
 ⇒ 最近Hot Paperに選ばれた論文

カテゴリー: 論文 パーマリンク