<論文紹介> 高シリカゼオライトSSZ-13の超高速合成法 / 東京大・大久保教授らが開発に成功、従来法で数日かかる合成を10分に短縮 (ACIE Hot Paper)

Credit - Andrei Rybachuk/Shutterstock

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アルミノケイ酸塩の多孔性結晶ゼオライトのうちアルミナに対するシリカの比率が高い「高シリカゼオライト」のひとつにSSZ-13があります。SSZ-13は、ディーゼルエンジンの排ガスに含まれるNOx(窒素酸化物)の還元除去やメタノールからのオレフィン合成などの触媒としての性能にすぐれ、注目を集めています。しかしその合成には通常6日間以上といった長時間を要するため、SSZ-13を一層広く活用する上では合成法の高速化が課題となっていました。

東京大学大学院工学系研究科・大久保 達也教授の研究室と三菱化学などによる研究グループはこのほど、チューブ状リアクターを用いて高温で急速加熱を行うとともに、SSZ-13のシード(種結晶)を使用して結晶生成を促進する新しい合成法を開発し、それによってSSZ-13をわずか10分間で合成することに成功しました。さらに同グループは、この方法を用いて、従来のバッチ式よりも効率的に合成を行える連続フロー式のリアクターを開発しました。

この方法で合成されたSSZ-13でNOx除去を試みたところ、数日間を要する従来の合成法によるものに劣らない性能をもつことが確認されました。SSZ-13の普及拡大につながるとともに、ほかの有用なゼオライトの合成にも応用が期待できる成果として注目されます。

この成果を報告した論文は、Angewandte Chemie International Edition (ACIE)に掲載され、同誌の注目論文Hot Paperに選ばれるとともに、化学ニュースサイトChemistry Viewsで紹介されました。

Angewandte Chemie International Edition

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