<論文紹介> 米国で市販のサプリ11製品から覚せい剤アンフェタミンの異性体BMPEAを検出 / 人体への安全性未確認、全国チェーンの販売自粛など波紋広がる

ハーバード・メディカルスクールのPieter A. Cohen准教授らのグループは、米国で市販されている痩身・スポーツサプリ11製品から覚せい剤アンフェタミンと似た構造をもつ異性体で安全性が未確認の物質 β-methylphenylethylamine (BMPEA) を検出し、その詳細をDrug Testing and Analysis誌で報告しました。米国では全国メディアで報道され、サプリ販売の全国チェーンVitamin Shoppe社が該当製品を店頭から自主撤去するなど大きな波紋を呼んでいます。

Drug Testing and Analysis

Credit - Diane Diederich/iStockphoto

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BMPEAは1930年代に初めて人工的に合成され、当初はアンフェタミンの代替物質の候補と見込まれました。しかしその後まもなく研究が打ち切られたため、人体への影響や安全性は未検証のままとなっています。

アメリカ食品医薬品局(FDA)は2013年、アカシアの木の一種でテキサス州に自生する「アカシア・リギデュラ (Acacia rigidula)」を成分に含むと記載のある複数のサプリ製品からBMPEAを検出したと発表しましたが、その後消費者に対する警告などの措置は取っていませんでした。これまでの研究では、BMPEAが実際にアカシア・リギデュラから検出・抽出されたとの報告例はありません。

今回Cohen准教授らのグループは、アカシア・リギデュラを含むと表示された市販の痩身・スポーツサプリ21製品を分析したところ、そのうち11製品からBMPEAが検出されました。製品に記載されている推奨量に従って摂取した場合、最大で一日当たり93.7 mgのBMPEAを摂取することになります。

同グループは、人体への安全性が未確認のBMPEAがサプリの成分として広く市販されていることを憂慮し、製造業者に対して即時回収を呼び掛けるとともに、FDAがBMPEA含有製品の販売禁止に向けて手段を尽くすよう求めています。

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