<論文紹介> 鶏卵から作る蛍光炭素ドット|プリンター用の蛍光インクにも加工が可能(Angew. Chem. Int. Ed.から)

炭素のナノ粒子からなる蛍光炭素ドット(carbon dots, C-dots)は、金属をベースにした量子ドットよりも毒性が低く生体に適合しやすいなどの利点があることから、生物医学の分野で細胞イメージングに利用されるようになっています。

蛍光炭素ドットの製造にはグラフェンやカーボンナノチューブを原料とするなどのさまざまな方法が開発されていますが、複数のステップを要するといった課題がありました。このほど中国・南京工業大学の研究グループは、鶏卵を原料にして、プラズマビームの照射によりワンステップで炭素ドットを製造することに成功、その成果をAngewandte Chemie Internation Editionに発表しました。安価・容易でしかも効率的な炭素ドットの製造方法として注目されます。

同グループが少量の卵黄または卵白にプラズマビームを照射したところ、数分のうちに約6%の収率で炭素ドットが得られました。この炭素ドットは、紫外線によって明るい青色に発光し、またインクジェットプリンター用のインクに加工することで、蛍光性のパターンを自由に描くことができました。細胞イメージング用だけでなく、今後は偽造防止用の標識や光電子センサーといった用途への応用も期待できます。

■ 論文はこちら ⇒ Wang, J., Wang, C.-F. and Chen, S. (2012), Amphiphilic Egg-Derived Carbon Dots: Rapid Plasma Fabrication, Pyrolysis Process, and Multicolor Printing Patterns . Angew. Chem. Int. Ed., 51: 9297–9301. doi: 10.1002/anie.201204381 (本文を読むにはアクセス権が必要です)

■ 化学ニュースサイトChemistry Viewsの解説記事 ⇒ Chemistry Views – Luminescent Ink from Eggs

カテゴリー: 論文 パーマリンク