科学史上で「世界初」ずくめの町バンスカー・シュチャヴニツァの鉱山学校が創立250周年

スロヴァキアのバンスカー・シュチャヴニツァ(Banska Stiavnica)は、ユネスコの世界遺産に登録されている歴史的な都市です。中世からハンガリー王国の金銀の産地として栄え、1627年には鉱山で初めて火薬を使用するなど、鉱業における技術革新の先駆的な役割を果たした町でもあります。

この古い鉱山都市は、科学・化学が現在の姿に発展していくうえで非常に重要な役割を果たしました。化学ニュースサイトChemistry Viewsが解説記事を掲載しています。
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この地に、マリア・テレジアの援助によって鉱山学校が創立されたのは今から250年前の1762年のこと、これが世界で初めての工科大学となりました。最初に設立された化学・鉱物学部には、オランダのライデン出身の植物学者ニコラウス・フォン・ジャカン(Nikolaus von Jacquin)が学部長として招かれました。ジャカンは講義と実験の融合を図り、同時代のラヴォアジェから「実験に基づく化学教育の創始者」として認められたそうです。この鉱山学校は、パリのポリテクニークをはじめヨーロッパ各地に設立された工科大学の先駆的存在となりました。

バンスカー・シュチャヴニツァが科学史に「世界初」として名前を残したのは、それだけではありません。鉱山学校は、1786年に近隣のSklene Tepliceで世界初の科学国際会議を開催、これにはラヴォアジェも出席しました。この会議では、世界初の国際学会となる”La Société de la Exploration des Mines”も創設されました。

スロヴァキア化学会は今年、このような歴史的意義を持つ鉱山学校の創立250周年を記念する催しを行うそうです。

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