Wiley Publishing Japan(ワイリー・パブリッシング・ジャパン)

共役オリゴマーおよびポリマーをベースにした電子材料は、化学・物理学・材料科学にまたがる学際的分野として活発に研究されている。中でもオリゴチオフェンおよびポリチオフェンは、安定した導電性高分子薄膜の形成においてチオフェンは電解重合が容易であるなどの理由から、特に注目が集まっている。チオフェン系の電子活性および光活性分子・オリゴマー・ポリマーは、ディスプレイ技術、電界効果トランジスタ、太陽光電池、化学および生物センサー、非線形光学、分子ワイヤおよびダイオードなどの先端技術への応用面で特に重要度が高い。
本書は、チオフェン系材料についての近年の学術的・技術的研究の成果を体系的に網羅したもので、共役ポリマーおよびポリチオフェンの分野の国際的な専門家により執筆されている。LED, フォトダイオード、電界効果トランジスタ(FET)、エレクトロクロミック材料、バイオセンサーなど、チオフェン系材料の主要な応用についてレビューするとともに、チオフェン系材料の商業的利用の可能性とナノテクノロジーにおける役割を議論する。当分野の基本的な参考図書として、大学・企業の研究者に有益となろう。