 ジョージア工科大学のZhong Lin Wang教授らのグループは、2012年に圧電素子を使って力学的エネルギーを直接化学エネルギーに変換する自動充電電池(Self-Charging Power Cell = SCPC) を開発しました。自動充電電池では、力学的エネルギーをいったん電気エネルギーに変換してから改めて化学エネルギーに再変換するという余分なステップを踏まないため、充電効率の改善が期待できます。しかし、Wang教授らの試作品は剛性のステンレススチールのケースを使っていたため、加えた力の大部分がケースの変形に使われて失われてしまうという欠点がありました。
ジョージア工科大学のZhong Lin Wang教授らのグループは、2012年に圧電素子を使って力学的エネルギーを直接化学エネルギーに変換する自動充電電池(Self-Charging Power Cell = SCPC) を開発しました。自動充電電池では、力学的エネルギーをいったん電気エネルギーに変換してから改めて化学エネルギーに再変換するという余分なステップを踏まないため、充電効率の改善が期待できます。しかし、Wang教授らの試作品は剛性のステンレススチールのケースを使っていたため、加えた力の大部分がケースの変形に使われて失われてしまうという欠点がありました。
今回同教授らは、アノード(負極)の材料をTiO2(酸化チタン)からグラフェンに、また外側をステンレススチールから高分子カプトンのシートに交換することにより、折り曲げ可能な柔らかい自動充電電池の開発に初めて成功しました。この成果は、Advanced Energy Materials誌で報告されました。
-  論文  ⇒ Xue, X., Deng, P., He, B., Nie, Y., Xing, L., Zhang, Y. and Wang, Z. L. (2013), Flexible Self-Charging Power Cell for One-Step Energy Conversion and Storage. Adv. Energy Mater.. doi: 10.1002/aenm.201301329
 (本文を読むにはアクセス権が必要です)
 新しい試作品を使った実験では、毎秒1回のペースで500秒間、34Nの力で圧縮を繰り返すと、電極間の電位差が500mVから832mVに上昇しました。その後1μAで放電すると、約16分後に元の電位差に戻りました。この場合の蓄電容量は、0.266μAhと計算されました。
新しい試作品を使った実験では、毎秒1回のペースで500秒間、34Nの力で圧縮を繰り返すと、電極間の電位差が500mVから832mVに上昇しました。その後1μAで放電すると、約16分後に元の電位差に戻りました。この場合の蓄電容量は、0.266μAhと計算されました。
今回のフレキシブルな自動充電電池は、旧試作品に比べてエネルギーのロスが少なく、指先で押す、あるいは自転車のゴムタイヤで踏むといった方法で充電が可能となり、環境中の多様なエネルギーを利用する可能性が広がりました。現段階では、LED 1個を点灯するのに電池数個が必要なくらいのパワーしかありませんが、実用化に向けてさらなる改良が期待されます。
 
								

 ChemistryViews (無料ニュースサイト)
 ChemistryViews (無料ニュースサイト) Facebookページ: Chemistry by Wiley
 Facebookページ: Chemistry by Wiley Wiley Asia Blog
 Wiley Asia Blog Wiley Job Network(求人サイト)
 Wiley Job Network(求人サイト) ワイリー・ヘルスサイエンスカフェ(医学・看護学・獣医学ブログ)
 ワイリー・ヘルスサイエンスカフェ(医学・看護学・獣医学ブログ) 電子プラットフォーム Wiley Online Library
 電子プラットフォーム Wiley Online Library Neutrino WebShop(株式会社ニュートリノ)
 Neutrino WebShop(株式会社ニュートリノ) オーヴィス株式会社(理工洋書専門書店)
 オーヴィス株式会社(理工洋書専門書店)