
生物統計学(医療統計学、Biostatistics)は新薬の臨床試験で非常に重要な役割を果たしますが、日本では製薬産業が早くから発展したにもかかわらず、生物統計の専門家を育てるための教育制度は整備が長く遅れていました。しかし過去15年ほどの間に、大学で生物統計学の修士課程が次々に設置されるなど、日本の生物統計学を取り巻く環境は急速に改善されてきています。Wileyの統計学ニュースサイトStatistics Viewsが、大阪大学大学院医学研究科の濱崎 俊光准教授ほか内外の専門家へのインタビューを交えて、その過程を解説しています。
⇒ How biostatistics is of rapidly growing importance in Japan (Statistics Views, April 25, 2013)
上の記事によると、1998年の時点で生物統計学の修士課程を持つ大学は日本全国で1校しかなかったそうです。当時の製薬メーカーでは、薬学部の出身者が入社後に統計学のトレーニングを受けて生物統計を担当するのが一般的でした。しかし、1998年に臨床試験のための統計的原則に関する国際合意「ICH-E9 ガイドライン」が施行されたのを受け、日本計量生物学会が中心となって生物計量学の専門家養成プログラムの整備が進められました。その結果、生物統計学の修士課程がある大学は2009年までに6校、現在は12校にまで増加しました。それに伴い、生物統計学の専門教育を受け修士・博士号をもつ統計家が増え、彼らの活躍の場が広がっています。
生物統計家をめざす若者の海外留学の増加や、昨夏に神戸で開催され、41か国から参加者を集めたthe International Biometric Conferenceの成功など、日本の生物統計家が国際交流に参加する機運も高まっています。上の記事は、日本の生物統計学はまだ幼児の段階かもしれないが、急速に青年期に移りつつあると結んでいます。
 
								

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