チョコレート好きに朗報?ココア摂取によるわずかな血圧降下がデータ分析で確認される

ココアは体によいと以前から言われ、血圧を下げる効果があるという報告例もありました。このほどCochrane Libraryに掲載されたシステマチックレビューによると、ココアやダークチョコレートの日常的な摂取と血圧との関係を調べたこれまでの短期間試験20件のデータを分析した結果、小幅ながら統計的に有意な血圧降下が認められました。
ココアには一酸化窒素生成に欠かせないと考えられているフラボノール(代表的なポリフェノールの一つ)が含まれています。一酸化窒素は血管壁を弛緩させ、血管を広げるため、血圧を下げる役割を果たします。フラボノールが豊富なココア飲料を毎日飲むサンブラス諸島(中央アメリカ)の先住民は年齢に関係なく正常な血圧を保っていることから、ココアと血圧の関係はもともと以前より注目されていますが、フラボノールの濃度はココアの加工方法やチョコレートの種類によって異なるため、最も効果を得られる摂取量を定めるのは難しいようです。
血圧に及ぼすフラボノールの効果を調査するため、30-1080mgのフラボノールを含むチョコレートもしくはココアパウダーを毎日摂取した人の2-18週間にわたる試験結果をレビューしたところ、平均で2-3mm Hg血圧が下がっていたことが判りました。
調査を先導したNational Institute of Integrative Medicine のKarin Ried女史は「継続的な血圧降下の証拠はまだないが、今回の短期間調査で見られたわずかな血圧降下により、ココア摂取は他の治療方法を補う可能性があり、今後循環器疾患の予防に貢献できるかも知れない。但し、長期間の摂取による副作用の可能性や臨床結果を結論づけるためにはより長期間にわたる試験が必要」と語りました。

プレスリリース原文(英語)
Cocoa Compounds May Reduce Blood Pressure

Cochrane Library Review本文(英語)
*Abstract(抄録)は無料公開。レビューの全文を読むにはCochrane Libraryへのアクセス権が必要となります
Effect of cocoa on blood pressure

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