良い「総説」を書くためのコツ|査読者はこのポイントに注目する

ある特定の分野・テーマの研究状況を理解するのに役立つ総説(review)には日頃からおなじみと思いますが、では自分が総説を書く側に回ったとき、優れた総説を書くためにはどのような点を心がけたらいいでしょうか?Biotechnology Journal中のセクションBiotecVisionsの連載記事「Getting Puiblished」で、BioEssays誌の編集長Andrew Mooreが「査読者の視点から見た総説」と題して執筆のコツを解説しています。
■ BiotecVisions: Getting published – A review article from the reviewer’s perspective… (無料公開)

library雑誌に投稿された総説を手に取った査読者がまず注目するのは、その総説がレファレンスとして引用している文献の中での原著論文と総説の比率だそうです。総説が別の総説を引用するのは、極力避けるのが原則です。ただし、例外的に総説の引用が認められる場合として次のようなものがあります。

  • 自分の総説の本題ではないが、読者が背景的な知識を得る上で、ある総説が参考になると思われるとき
  • ある総説で示された新規な洞察に立脚して、あるいはそれを批判して自分の議論を進めるとき
  • 引用できる文献の数が制限されている場合などに、権威ある総説を1報引用することで多数の原著論文を引用する代わりにするとき

査読者が注目するもう一つのポイントは、原著論文のレビューを通して得られた何らかの新規で統合的な洞察がその総説に含まれているかどうかです。総説の査読レポートでしばしば見られるのが、“This review brings nothing new to the field” というコメントだそうです。総説の読者の多くはその分野の専門家で、既に主要な原著論文の内容を知っています。そういった読者にとって、原著論文の要約を寄せ集めたカタログのような総説では物足りないものになってしまうことを理解しておく必要があります。

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